ききみみ 音楽ハンターききみみ 音楽ハンター

ウィズコロナ時代でも試行錯誤しながら楽しみたいナマの音~ビルボードライブ大阪~

2020年09月06日 05:30

芸能

ウィズコロナ時代でも試行錯誤しながら楽しみたいナマの音~ビルボードライブ大阪~
「orange pecoe」の公演が開かれたビルボードライブ大阪 Photo By スポニチ
 コロナ禍で音楽界は公演中止が相次いだ。緊急事態宣言解除後は一部で集客を再開したが、感染症対策に苦慮。大阪市北区のライブスポット「ビルボードライブ大阪」でも試行錯誤が続く。
 チャカ・カーンや玉置浩二ら国内外の名歌手が出演する名店だ。再開から1カ月が過ぎた8月23日に訪ねると、入り口で検温と手指消毒。飲食のメニュー表は使い捨てのリーフレットにし、大皿メニューは中止した。公演中、観客はマスクを着け、発声はNG。1日2公演が基本だが、大所帯のバンドは休憩時、密を避けるため楽屋でなくホテルに戻って待機。ボーカルマイク前に飛沫防止のアクリル板も設置する。

 向かい合わせで4人が座れる各テーブルが、今は全席ステージ向きに置かれ定員は2。カウンター席も1席飛ばしで収容人数は半減した。ライブが始まれば違和感なく楽しめたが、経営的に苦しいのは言うまでもない。

 ライブハウスでクラスターが発生したこともあり、対策を徹底しても客足は鈍い。年配ファンの初動の悪さは顕著で、関係者は「普段は即完売する出演者も直前まで席が埋まらない」と嘆いた。

 この日の「orange pecoe」公演は若いファンも多く完売。ボーカルのナガシマトモコは「いろいろ厳しい中で開催できてうれしい」と何度も言った。「早く収まるといいね。そんな日を待ち望みながら…」と、「Happy Valley」など名曲を次々に披露。声は出せないが、観客の熱い拍手から興奮は伝わった。

 やっぱり音楽は生で共有するのが楽しい。今まで当たり前だったこの体験が今はありがたく、涙が出そうだった。ウィズコロナ時代、音楽文化をどう支えるか。発信側だけでなく、ファンも試行錯誤しなければと強く思った。(萩原 可奈)

コラムランキング

バックナンバー

【楽天】オススメアイテム