ききみみ 音楽ハンター
ウィズコロナ時代でも試行錯誤しながら楽しみたいナマの音~ビルボードライブ大阪~
2020年09月06日 05:30
芸能
向かい合わせで4人が座れる各テーブルが、今は全席ステージ向きに置かれ定員は2。カウンター席も1席飛ばしで収容人数は半減した。ライブが始まれば違和感なく楽しめたが、経営的に苦しいのは言うまでもない。
ライブハウスでクラスターが発生したこともあり、対策を徹底しても客足は鈍い。年配ファンの初動の悪さは顕著で、関係者は「普段は即完売する出演者も直前まで席が埋まらない」と嘆いた。
この日の「orange pecoe」公演は若いファンも多く完売。ボーカルのナガシマトモコは「いろいろ厳しい中で開催できてうれしい」と何度も言った。「早く収まるといいね。そんな日を待ち望みながら…」と、「Happy Valley」など名曲を次々に披露。声は出せないが、観客の熱い拍手から興奮は伝わった。
やっぱり音楽は生で共有するのが楽しい。今まで当たり前だったこの体験が今はありがたく、涙が出そうだった。ウィズコロナ時代、音楽文化をどう支えるか。発信側だけでなく、ファンも試行錯誤しなければと強く思った。(萩原 可奈)