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「部屋とYシャツと私」がヒットするとは…

2019年09月01日 05:30

芸能

「部屋とYシャツと私」がヒットするとは…
名曲誕生の秘話を語った平松愛理 Photo By スポニチ
 平成の名曲「部屋とYシャツと私」。結婚直前の女性のけなげな相手への愛情と願いをつづりつつ、〝毒入りスープ〟という衝撃ワードでドキリとさせる独特の世界観が話題を呼び、92年に大ットした。令和になり〝続編〟が誕生。その名も「部屋とYシャツと私~あれから~」だ。夫妻は年月を重ね、環境も妻の言い分も変化。聴き比べると笑える。同曲の作者で歌い手の平松愛理(55)に、同曲や続編の誕生秘話などを聞いた。
 結婚する友人に曲を作ると約束したことに端を発した同曲の制作。苦労したのは歌詞だ。独身だった平松は周囲の既婚者に取材。「結婚して良かった事より、困った事や嫌な事が山ほど聞けた」と笑う。結局、1番の歌詞は母からの話、2番は「ウソを付くとまばたきが増えて右の眉が上がる」というディレクターをモデルに仕上げた。

 当時のヒット曲の条件は「テンポ130、タイアップ付きシングル、4分の4拍子、曲の長さは3分台」。スローでノンタイアップのアルバム曲、3拍子で5分を超える同曲が売れるなど、平松もスタッフも誰一人予想しなかった。レコーディング中にキー設定が高過ぎたと思うも、「2度と歌わないだろうし」とそのままにしたほどだ。だが、有線でじわじわリクエストが増加。「イイ曲だよね」とウワサが広がり、ついにシングルカットされた。出荷数100万枚に達した。意外な曲が自身の代表曲とされ、「一番困惑したのは私」と苦笑いで振り返った。

 最近は夫婦のその後を描く続編を期待されていたが、原作に等しいレベルで納得できるものを作る自信がなく固辞してきたという。だがデビュー30周年の今年、一念発起。覚悟の続編制作については、次回紹介する。  (萩原 可奈) 

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