ききみみ 音楽ハンター
「クレモナ」11月公演、コロナ禍でも伝えたい〝生音〟の魅力
2020年07月05日 05:30
芸能
アルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラ(1992年没)を専門に演奏。タンゴとクラシックの融合音楽を異色の編成で独自に編曲する。「クラシック界に『邪道』、タンゴ界には『踊れない』と言われる」と自虐的に笑うが昨年、5時間超の野外公演に約700人を集めた人気ぶり。来年のピアソラ生誕100年を前に、楽団のさらなる飛躍を目指し国際コンクール出場を計画したが、それも中止となった。
4人はこの苦境に嘆くどころか、必死に闘っていた。愛好者をつなぎ留め、新規ファンも獲得するためYouTubeで連日動画を上げ、1万字を超えるメールマガジンを週2回配信。「ライブの無料配信は生演奏の価値を下げかねない。音楽を体感する事にこそ価値があると、言葉や文字で伝えてきた」という。11月公演は感染対策を講じた上でより広く〝生音〟の魅力を伝えるべく、昼夜2公演をもくろむ。彼女らの奮闘に、音楽ファンが今できる事も必死に考えないと、と痛感した。(萩原 可奈)