ききみみ 音楽ハンター
槇原敬之 美しさとユーモアと…振り幅も魅力“10のドラマ”
2019年03月03日 10:00
芸能
1曲目「朝が来るよ」は出だしのピアノと声、サビのファルセットが印象的なバラード。50歳を前にした槇原が同年代に贈る希望の歌のような1曲だ。「In The Snowy Site」は、都会の冷たく澄んだ冬の光景が浮かぶサウンドとコーラスがあまりに美しい。かと思えば、70年代青春歌謡曲風の「微妙なお年頃」では恥じらいが薄れ、口の締まりも悪くなった加齢ぶりを嘆くユーモアと遊び心。この振り幅も魅力と言える。
以前の取材時に「公園を歩くおばあちゃんを見ても曲ができる。アーティストは、どんな日常からもドラマが見えてこないとね」と語った。今回もすてきな10個のドラマが誕生した。グッド・メロディーと秀逸な言葉を生む彼のアイデアの泉は、今も枯れるところを知らない。新たな元号でも、ポップスターとして君臨し続けてくれるに違いない。(萩原 可奈)
★槇原の楽曲は、3月6日放送のMBSラジオ「子守康範 朝からてんコモリ!」7時台で紹介。