約2100年前、ヴェスヴィオ山(現在1281メートル)の噴火によって一夜にして火山灰に埋もれたポンペイで、古代都市の歴史に思いをはせた。18世紀に発掘され、その後世界遺産に登録されたが、当時人口は2万人を数えたとあって立派な建物が随所に。中でもフォーラムの語源になったという、商業活動に使われていた広場「フォロ」にある「ジュピター神殿」は町で最も重要な神殿で、ジュピター、ユノなどの3神を祭ったもの。背後にヴェスヴィオ山がそびえる絶景スポットだ。
隣接するマーケットのガラスケースの中には「石膏の遺体」が展示され、火砕流に悶え苦しむ姿は生々しすぎるほど。一方で、「猛犬に注意」の注意書きで有名な悲劇詩人宅の並びにある「ベーカリー」はパン店には、かまどや挽き臼などが残っており、当時の人々の生活が感じられる。目を引いたのが「娼婦の館」。入り口には男性のシンボルのような突起物が掲げられ、入ったところにはさまざまな体位を描いた壁画も。いわゆる性愛がタブー視されていなかった時代の開放的な雰囲気を見ることができて、なぜかホッとした。入場料約4000円。ナポリから電車で約30分。