打って守って走れる最強のつなぎ役 虎唯一の“皆勤賞”阪神・中野が頂点へと先導する 

2023年08月24日 11:00

野球

打って守って走れる最強のつなぎ役 虎唯一の“皆勤賞”阪神・中野が頂点へと先導する 
7月16日の中日戦で、ビシエドの打球をジャンピングキャッチする中野 Photo By スポニチ
 岡田彰布監督率いる阪神は、16日の広島戦(マツダスタジアム)に勝利し、13年ぶりの優勝マジック「29」を点灯させた。その後、着々と減らし「24」に。2005年以来18年ぶりとなる頂点へ向け、一歩一歩近づいている。
 3日中日戦(バンテリンD)から13日ヤクルト戦(京セラD)まで破竹の10連勝を記録し、19日DeNA戦(横浜)から23日中日戦(京セラD)まで4連勝。苦しい夏場にも関わらず、進撃を続ける猛虎を支えているのが「2番・二塁」でチーム唯一のフルイニング出場を続ける中野拓夢内野手だ。

 昨季までの定位置だった遊撃に別れを告げ、今季から二塁へ転向。慣れないポジションでも平然とこなし、好守で幾度となく失点の危機を救ってきた。今季、中野の8失策はすべて、内野が黒土である本拠地・甲子園で犯したもので、その他の球場では失策ゼロ。背番号51は「特に人工芝の球場はエラーする気がしない」と語る。

 プロ3年目を迎え、堅守に磨きがかかってきた。水に慣れてきたというのももちろんあるだろうが、経験値の積み上げが守備力向上に直結している。「入団直後は、どの選手が足が速いとか遅いとか、全然わからなかった」。さらに新人から2年守った遊撃は、一塁まで距離がある。送球への焦りも出て、失策につながったと自己分析。だが今は違う。各選手の「足」のデータも頭に入り、二塁は一塁までの距離も近く、送球の負担もほとんどない。「まず捕ればいいので、気持ちは楽」。生まれた心の余裕も大きな味方だ。

 守りの安定感は、打撃にも好影響を与えている。今季は最多安打争いに顔を出し、打率は4番の大山と並ぶ・292を誇る。盗塁もリーグ3位の14個。打って守れて、さらに走れる最強のつなぎ役。歓喜の秋へ向け、いよいよラストスパートへと突入する=記録は24日現在=。(記者コラム・八木 勇磨)

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