菅野の男気が呼んだ巨人サヨナラ勝ち グリフィンに代わり先発直訴7回3失点「自分の中で仕事は全うした」

2023年08月24日 05:30

野球

菅野の男気が呼んだ巨人サヨナラ勝ち グリフィンに代わり先発直訴7回3失点「自分の中で仕事は全うした」
<巨・ヤ>先発直訴し、力投した巨人・菅野(撮影・村上 大輔) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人4―3ヤクルト ( 2023年8月23日    東京D )】 大黒柱の気迫が勝利を呼んだ。巨人は23日、ヤクルトに延長11回サヨナラ勝ち。敗れたDeNAと入れ替わり、7日以来となる3位浮上を果たした。試合前練習で負傷したフォスター・グリフィン投手(28)に代わり、志願して1日前倒しで緊急先発した菅野智之投手(33)が今季初の中5日で7回を6安打3失点。勝敗こそつかなかったが、チームを思う献身的な姿勢にナインは心を打たれた。
 午後10時7分。歓喜の瞬間は突然やってきた。3―3の延長11回2死一塁で、梶谷が投手強襲安打を放った。阪口が一塁へ悪送球する間に、一塁走者の門脇は三塁へ。バックアップに回った村上がボールの処理にもたつく間に、門脇がサヨナラの生還を果たした。

 チームの緊急事態を救ったのは百戦錬磨の頼れる右腕だった。試合前練習中、中堅付近で調整していた先発予定のグリフィンの左側頭部にフリー打撃の打球が直撃した。首脳陣が対応に追われた中、菅野は従来予定されていた、24日の先発に向けブルペンで調整中。ブルペンで数球投げて状態の良さに手応えを感じると、阿波野投手チーフコーチに「もしよかったら、僕はもう準備できてるんで、投げさせてください」と直訴した。まさに、男気。先発を1日前倒しする、異例の緊急登板が決まった。

 「ここ数週間、状態もいい。僕が投げるのがベストかなと。迷いはあまりなかった」

 志願のマウンドで、役割を果たした。2回に内野ゴロの間に1点を失ったが、4回には村上、サンタナ、オスナの中軸を3者連続空振り三振。最後は7回6安打3失点で降板したが、気迫の投球に触発された打線が、その裏に3点を奪い同点に追いつくと、ベンチから飛び出て喜んだ。107球の力投。勝ち星はつかなかったが「チームが勝てて、なおかつ自分の中で仕事は全うしたと思っている。良かったと思います」と胸をなで下ろした。

 高校球児のように、チーム一丸でつかみ取った1勝。DeNAが敗れたため、7日以来の3位に浮上した。クライマックス・シリーズ進出を懸けた戦いは、ここからが正念場。菅野の好投なくして進撃はない。「当初、リリーバーの中からと思っていたんですけど、智之本人が行けるというところで、だったら行ってもらおうと」と原監督。大黒柱が先頭に立って、あるべき姿を示した夜となった。(花里 雄太)

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