【甲子園】慶応・清原 9回代打で登場に地鳴りのような大歓声「本当に幸せ者」 史上初の父子V

2023年08月24日 05:05

野球

【甲子園】慶応・清原 9回代打で登場に地鳴りのような大歓声「本当に幸せ者」 史上初の父子V
<仙台育英・慶応>仙台育英・橋本(右)と健闘を称える慶応・清原(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会最終日決勝   慶応8-2仙台育英 ( 2023年8月23日    甲子園 )】 甲子園は、やはり清原のためにあった。8―2の9回。慶応・清原勝児(2年)が代打で登場すると、地鳴りのような大歓声に包まれた。
 「凄い歓声を頂いて、本当に幸せ者なんだと感じた。本当に感謝しかない」。107年ぶりの優勝を目指す慶応への大声援。敵将の須江航監督も「球場の雰囲気が“慶応空間”になった」と驚きを隠せなかったが、甲子園の申し子だった父・和博氏の次男に注がれる歓声は桁違いだ。「打ちたい気持ちもあったが、フォアボールも有効な手段」と勝利に徹し、四球を選んだ。

 38年前の夏。父はPL学園の主砲として同じ決勝の舞台に立って2本塁打を放ち、宇部商にサヨナラ勝ちした。勝児は父が見守る中で、史上初の父子2代甲子園制覇。父の夢、家族の目標でもあった。試合後はベンチで涙が止まらず、勇姿を見届けた和博氏は「私の息子であり注目され、試合に出なくても取材を毎回受けるなど苦しさもあったと思います。しかし、きちんと対応して立派に育ってくれたなと。褒めてあげたい」とねぎらった。

 この日は、慶応出身で慶大野球部に所属する兄・正吾の21歳の誕生日だった。勝児は試合前に連絡を取り合い「最高のプレゼントを渡せるように頑張る」と力強く言った。その兄がスタンドで見守る中で有言実行。「自分的には最高のプレゼントを贈れたなと思います」と胸を張った。

 2年生だが留年しており、今年が最後の夏。今後については「自分一人だと心細いので、いろんな人に相談して決めようかなと思います」と話した。慶応だけでなく、慶大やクラブチームの練習に参加することも可能。将来的には、父と同じプロ野球選手という目標もある。父も「まだ野球人生は終わっていないし、しばらく高校生らしい生活を送った後、次の目標に向かってほしい」とエールを送った。(山手 あかり)

 ≪史上初の父子V≫慶応・清原勝児は、PL学園(大阪)で83、85年夏に全国制覇した父・和博氏に続いて、父子での甲子園優勝を果たした。春夏通じて甲子園大会の父子2代制覇は、資料が乏しい戦前も含めて過去に報じられた例がない。

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