【女優主演賞】杉咲花 初の単独主演映画で開眼 初めて役に没入「震える思いでした」

2024年01月19日 05:00

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【女優主演賞】杉咲花 初の単独主演映画で開眼 初めて役に没入「震える思いでした」
笑顔を見せる杉咲花(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 【2023年(第78回)毎日映画コンクール各賞決定 ( 2024年1月18日 )】 杉咲花(26)の心を突き動かしたのは一通の手紙だった。送り主は「市子」の戸田彬弘監督(40)。主宰する劇団の旗揚げ公演だった戯曲「川辺市子のために」を映画化するにあたり、タイトルロールを託したいという思いをしたためたものだ。
 「監督人生において分岐点になる作品になると思いますと書かれていて、それだけ思い入れのある物語に必要としていただけたことが光栄でした。脚本は血のにじむような思いで書かれたんだろうなということが伝わってきて、名付けられない感情に包まれ震える思いでしたし、お受けしないという選択肢はなかったです」

 市子はプロポーズを受けた翌日にこつぜんと姿を消す。恋人が行方を追う過程で出会うさまざまな人々の証言と過去の描写から、彼女の人生が浮き彫りになっていく難役。だからこそ「他者のことを知ることはできないということについて考えさせられる物語だと思っていたので、分かったつもりになってはいけないという感覚を大事にしました」という。

 撮影は戸田監督が作成した市子の詳細な年表もヒントにして臨んだ。「セリフの節々から市子という人間が見えてくるような表現があったので、漠然と人物を捉えていった感覚で戸惑いもなくとても心地良く本番に向かっていけた現場でした」と満足げに振り返る。

 自身の手から放したくないと思ったほど、情熱を注いだ初の単独主演映画でつかんだ栄冠。「お芝居をしていて味わったことのない経験をさせていただいた忘れられない作品なので、それを評価していただけたのは純粋にうれしいです」

 間違いなく代表作となるだろう。だが、「今がピークだと思いたくないし、自分を更新していきたい」と、貪欲だ。「プロポーズを受けるシーンで勝手に心が反応してしまう瞬間に初めて出合い、これが役に入り込むということかなと思ったんですけれど、数日後にはト書きに書かれている表現が全くできない時があって、物凄くふに落ちたんです。分からないことを受け止めた上でどこまで役に近づいていけるかなんだと感じた経験は、これからも自分の中で大切に育まれていくと思います」

 3月に主演作「52ヘルツのクジラたち」の公開が待機。また新しい杉咲に出会えるのが楽しみだ。

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