【日本映画大賞、脚本賞】「せかいのおきく」阪本順治監督 未開拓のテーマに「興味」 紆余曲折製作過程
2024年01月19日 05:00
芸能
タイトルは当初の「江戸のうんこ」から変更。「黒木華さんを迎えることになって、これはヤバいと。それで『せかいのおきく』に」と笑う。「世界で活躍する人を“世界の○○”と称えるじゃないですか。でも名もなき一般人も世界の一員。そこに差異はないぞという思いも込めた」
脚本賞にも輝いた。演出と両方を手掛けた時代劇は初。「方向性としては『人情紙風船』などの庶民性のある作品。山本周五郎の小説や江戸の話し言葉は落語から学んだ」と話す。助監督から監督になった頃に2本の時代劇の脚本を書き、当時集めた資料も役立った。憧れという「スタンダードの白黒」で発表した一編。苦労した分だけ喜びも格別だ。