ハッキリ言います 歯が抜けると認知症リスクが高まります!!抜歯予防に唾液腺マッサージが効果的

2024年01月19日 05:00

芸能

ハッキリ言います 歯が抜けると認知症リスクが高まります!!抜歯予防に唾液腺マッサージが効果的
歯と認知症の関係について後藤多津子先生に教えていただきました Photo By スポニチ
 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(73)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。2024年の第1回は「歯を失うと認知症のリスクが高まる」というテーマを取り上げます。
 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。この連載は今回が2024年の1発目。今年も健康・医療情報をたくさんお届けしていきますよ。

 最初に取り上げるのは「歯」です。おいしいものを、いつまでも自分の歯で食べるためにケアは欠かせないですが、実は、歯を失うと認知症のリスクが高まるというのです。関連する研究論文を世界で初めて発表した東京歯科大学、主任教授の後藤多津子先生にお話をうかがっていきましょう。

 抜歯すると認知症になりやすい。後藤先生、これは詳しく知りたいシニアの方は多いと思います。

 「2024年1月1日“認知症基本法”が日本で制定されました。その背景にあるのは急速な高齢化です。65歳以上は5人に1人が認知症になると見込まれている中、認知症対策は日本の重要な課題となっています。今回の私どもの研究では、今まで大脳とアルツハイマー病の関係が研究の中心でしたが、生命の根源と言われる“脳幹”こそに原因の大本があるのではないかということをヒト生体脳で証明し、歯と脳幹とアルツハイマー病の関与を世界で初めて論文として公表したものです」

 抜歯が脳幹に影響を及ぼすのですね?

 「歯を抜くと、脳の深部にある脳幹といわれる場所の神経が死にます。それに伴って、この脳幹にタウというタンパク質が蓄積。このタウの塊の蓄積が、脳幹から記憶の出し入れに関わる海馬という部位に波及し、これが認知症の発症や進行に関わっているという研究結果が出ました」

 認知症にはアミロイドβ(ベータ)という物質がたまることが関係しているという話は聞きますが、タウという物質の影響もあるんですね。

 「研究では、65歳以上で、アミロイドβの蓄積が認められたアルツハイマー型認知症患者24人と、蓄積していない健常者19人を対象に解析を行いました。結果として、アルツハイマー型認知症患者群は、タウの蓄積と残っている歯の数に関係があることが分かりました」

 歯が残っていても、認知症になることは考えられます。でも、少しでもリスクを下げるためには、歯をなくさないようにした方がいいわけですね。

 「抜歯せざるを得なくなるのは、虫歯がひどくなったとき、歯が割れたとき、歯槽膿漏(のうろう)で歯がグラグラになったとき、が考えられます。この3つを口腔(こうくう)ケアで予防することが何より重要です。歯と歯の間の汚れもデンタルフロス、歯間ブラシで除去してください。家の掃除と同じです。隅々にたまっているホコリまでしっかりと。歯科医院で歯石の除去も忘れないでください」

 高齢者は歯が割れることも心配しないといけないんですね。

 「60歳近い管理職の方が歯が縦に割れるケースが多いですね。ストレスで無意識にかみしめているのではないでしょうか。就寝時にマウスピースを着けることも有効で、縦に割れても抜歯せずに済ませる治療法もあります」

 オフィスや家庭で言いたいことをグッとこらえて歯をかみしめているお父さん、注意してください。

 「虫歯や歯槽膿漏の予防には、唾液をたくさん出すことです。唾液は口の中を洗浄してくれます。よく出すために、唾液腺のマッサージが効果的です」

 主な唾液腺マッサージを紹介します(別掲)。通勤途中でも仕事の合間でも気軽にできますから、トライしてください。

 歯を失うと、認知症以外にどんなリスクがありますか?

 「顔立ちへの影響が考えられます。顔は複雑な筋肉に囲まれているので、歯の並びが顔立ちを形成していると言えます。歯がなくなると上下の顎が近くなり、クシャッとしたシワの多い顔になりがちです。二重顎になる可能性もあります。歯は上下のかみ合わせがしっかりしていると、ロックがかかったような状態になります。歯が抜けて、このロックがなくなると、下顎が後方に下がりがちになるからです」

 歯がないなら口を開けなければいい、という問題ではないんですね。

 「歯がなくなってかめなくなると、筋肉のトレーニングができなくなるので、誤嚥(ごえん)のリスクが上がります。老後の生活への影響が大きいですから、抜歯しなくていいようにしっかりケアしてください」

 歯を抜くか抜かないか…もし選択を迫られた時には、後藤先生いわく「できるだけ抜かない方法を模索することをお勧めします」とのこと。65歳からまだまだ続く長い人生を自分らしく生きていくためにも、自分の歯をしっかり残すことで認知症を予防していきましょう!

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。75歳の現役医師・鎌田實さんとの共著「70歳からの『貯筋』習慣」(青春出版社)が販売中。

おすすめテーマ

2024年01月19日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム