寺田理恵子フリーアナ はじめた音読で見つけたライフワーク 高齢者の楽しみの場をつくりたい

2024年02月23日 05:00

芸能

寺田理恵子フリーアナ はじめた音読で見つけたライフワーク 高齢者の楽しみの場をつくりたい
朗読会に出演し、笑顔で朗読をする寺田理恵子 Photo By スポニチ
 【だから元気!】著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回は元フジテレビアナウンサーで現在はフリーで活躍中の寺田理恵子さん(62)です。還暦を過ぎても、よどみなくスラスラとアナウンスできる活力の源となっているのは、声を出して本を読む「音読」にありました。(構成・高原 俊太)
 音読をしているのは午前10時ごろにブランチを食べ終わった後です。始業時間前に「朝読書」を取り入れている小中学校があるように、実際に午前中に読書をすると脳が活性化されます。声もよく出るんですよ。

 場所はリビング。家族は出掛けているので、1人で声を響かせるんです。気持ちいいですよ。ブランチ終わりの1人きりの時間にやるのがライフワーク。娘がいる時に音読をして「うるさい」と言われたこともありました(笑い)。

 机に音読する本と大好きな紅茶を用意して声が出やすいように首や肩、胸郭周りのストレッチをしてから始めます。本は目線と同じ高さに持っていくのがポイント。そうすると、喉が開いて声が出やすくなるんです。あと、膝の角度を90度にして背筋を伸ばすようにして椅子に座って、横隔膜がしっかりと動くような姿勢を意識することも大切です。横隔膜がしっかりと機能すると体中に刺激が行き渡って、筋力の上昇につながるし、良い声が出るようになります。

 声の大きさは、3~5メートル先の相手に届くようなボリュームです。やり始めのころは、この大きさでも2分ぐらいやっただけで凄く疲れていたのですが、やっているうちに15分近く続くようになります。読むのは初めのうちは新聞、慣れてきたら小説にチャレンジしてみるのもいいですね。

 声を出して読むと、頭の中でインプットとアウトプットが行われて、理解できるようになって脳が活性化されるんです。ただ単に読むだけでは、AIと同じになってしまう。理解しながら音読することが大切なんです。

 音読を始めたのは仕事復帰した2014年でした。00年の結婚を機にアナウンス業を引退して専業主婦になって以降は、夜まで誰ともしゃべらないようになって、とっさに言葉が出てこなかったり、寝起きのようなガラガラ声が一日中続く日もありました。12年に夫と死別してからは鬱(うつ)のような状態になってしまいましたが、そんな時に生島ヒロシさんから声をかけていただき、14年に活動を再開したんです。復帰するに当たって始めたのが、フジテレビの新人研修でやっていた新聞の音読でした。

 もう10年の月日が流れたんですね。音読を始めたことで生き生きと過ごせるようになったと思います。

 こういった体験から、今は音読と朗読の本を出版したり、教室も開いています。新型コロナ禍で人としゃべる機会が減ってしまった時に「これまでの自分と同じようなことで悩んでいる人の助けになれば」と思い始めました。教室には50~90代が参加してくださり、特に90歳の方は音読をすることで背筋がしっかりと伸びて「ここにくることが楽しみ」と言ってくださった。今の私の目標はその方のようになることです。

 これからはさらに音読を通じて高齢者の楽しみや豊かで充実した生活の助けになるような場所をつくる活動をしていきたいです。

 ≪音読本第3弾出版≫自身のYouTubeチャンネル「寺田理恵子の音読チャンネル」と連動した音読本の第3弾「日々の名作音読で人生の深みを知る」(さくら舎)を1月に出版した。名作といわれる福沢諭吉の「学問のすゝめ」など30編が収録されている。YouTubeでは、本で取り上げた文章を音読した動画を1週間ごとにアップしている。寺田は「選び抜いた作品たちを音読して、脳の活性化をしていきましょう」と呼びかけている。

 ◇寺田 理恵子(てらだ・りえこ)1961年(昭36)7月15日生まれ、東京都出身の62歳。84年にフジテレビに入社。85年に「オレたちひょうきん族」の2代目ひょうきんアナとして人気に。アイドル女子アナの元祖と言われている。89年に退社しフリーに。00年に一般男性と結婚して引退。12年に夫と死別。14年に芸能プロ「生島企画室」に所属して活動を再開。血液型A。
 

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