山本陽子さん急死 81歳、急性心不全 淑女から悪女まで 映画、ドラマで存在感 4月には舞台出演予定も

2024年02月23日 05:05

芸能

山本陽子さん急死 81歳、急性心不全 淑女から悪女まで 映画、ドラマで存在感 4月には舞台出演予定も
75年、笑顔でポーズをきめる山本陽子さん Photo By スポニチ
 山本さんのおいで、所属事務所の日塔謙太郎代表が22日夜、文書で急死だったことを報告した。「亡くなる数時間前まで一緒におり、いつもと変わらぬ様子で帰宅の途に就いた」といい、「私自身もいまだに信じられません」と突然だったことを明かした。死因については「帰宅直後の急性心不全」とした。
 4月上演の舞台「そして誰もいなくなった」の稽古を来月に控えており、台本と向き合う日々を送っていた。日塔氏は「今頃本人は向こうで“こっちの話し方のほうがいいかしら?”などと役作りに励んでいることと思います」とし、「最期の瞬間まで自由に生きた幸せな人生でした」とつづった。

 山本さんは古希を迎えた2012年、持ち物を断捨離し、都内から熱海市のマンションに移住。仕事の時だけ上京していた。カフェやパン店など行きつけの店もあり、熱海の生活を楽しんでいた。

 今月3日には同市の今宮神社の節分祭に来賓で参加。12日には市内ホテルで開かれた大相撲・熱海富士の激励会に着物姿で出席していた。節分祭の運営に携わった細田泰秀さん(60)は「背筋がピンと伸びて美しい印象でした。“ぜひ来年も出させてください”とおっしゃっていた。お元気そうでしたので、驚くばかりです」としのんだ。

 山本さんは高校卒業後に野村証券に就職したが、1963年、知人が応募書類を送った日活ニューフェイスに合格。第7期として入社し、同年「光る海」の女子学生役でデビューした。当時の日活には吉永小百合、松原智恵子、和泉雅子の「三人娘」がいたためなかなか出番に恵まれなかったが、テレビドラマに軸足を移して才能が開花した。

 65年から放送されたTBSドラマ「七人の孫」では和服姿の楚々とした女性を演じブレーク。71年には森光子さん主演「放浪記」で初舞台を踏み、80年の「花埋み」で初主演。94年の「おはん」の演技で第19回菊田一夫演劇賞を受賞した。08、09年には「放浪記」の上演回数2000回の記念舞台にも出演した。

 サッパリとした性格。70代後半でも細身のジーンズとハイヒールをはきこなした。独身を貫いたが、スキャンダルで話題を集めたことも。73年のTBSドラマ「白い影」で共演した田宮二郎さんとは不倫疑惑、84年には21歳年下の沖田浩之さんとの交際で世間を騒がせた。美貌の女優の突然の訃報に、関係者は一様に言葉を失っている。

◇山本陽子さんの主な作品◇ 映画 抜き射ちの竜 拳銃の歌(64年)華麗なる一族(74年)八つ墓村(77年) ドラマ 光る海(65年、TBS)七人の孫(65年、TBS)白い影(73年、TBS)白い滑走路(74年、TBS)となりの芝生(76年、NHK)松本清張の黒革の手帖(82年、テレビ朝日)愛を裁けますか(82年、毎日放送) 舞台 放浪記(71年)花埋み(80年)おはん(94年)いろどり橋(06年)夫婦漫才(21年)

 山本 陽子(やまもと・ようこ)1942年(昭17)3月17日生まれ、東京都出身。国学院高卒業後、野村証券勤務を経て、63年女優デビュー。ドラマは74年のTBS「白い滑走路」、映画は74年「華麗なる一族」や77年「八つ墓村」など数多くの作品に出演。

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