「光る君へ」謎の男・直秀役が「想定外」の反響 毎熊克哉「反骨精神とか負のエネルギー」重ねた役者人生

2024年02月26日 12:00

芸能

「光る君へ」謎の男・直秀役が「想定外」の反響 毎熊克哉「反骨精神とか負のエネルギー」重ねた役者人生
大河ドラマ「光る君へ」第5話。直秀(毎熊克哉)は藤原道長へのまひろの告白を聞き…(C)NHK Photo By 提供写真
 俳優の毎熊克哉(36)が、NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00ほか)に散楽の一員・直秀役で出演している。吉高由里子(35)演じる主人公・まひろ(紫式部)と柄本佑(37)演じる藤原道長に影響を与える重要な役どころ。独特の色気と存在感で、作品を彩っている。そんな毎熊に撮影の舞台裏を聞いた。
 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 直秀は本作のオリジナルキャラクター。散楽の一員として町辻で政治や社会の矛盾をおもしろおかしく批判しながら、義賊として貧しい民に盗品を分け与えている。謎の多いキャラクターで、塀の上から主人公らに話しかけては、軽快な動きでサラリと姿を消す。ドラマに登場するポロに似た球技「打毬(だきゅう)」は撮影が始まる約7カ月前から練習したといい、「馬に乗って球を打つのはかなり難しいことなので、早めから練習していました」と振り返った。

 「脚本に書かれているメッセージとか期待を僕なりに感じ取って、それに応えようとしています」。史実にはないオリジナルキャラクターであるため、台本から役のイメージを膨らませた。毎熊は直秀の生い立ちについて「ちゃんとした家では育っていない。早い段階から散楽のメンバーと一緒にいたんだろうなって思っている」と推察した。寝食をともにする散楽のメンバーとは家族のような強い絆で結ばれている。

 その一方で、どこか憂いを帯びている。「愛情に対してうらやましさがあるんじゃないかな。批判的だったりするけど、批判していることに悲しみがあるというか、その裏にうらやましさがある」と語った。第5話「告白」(2月4日放送)では、まひろと道長の再会を手助けした。2人の恋の行方を見守る直秀の心情を「身分違いの2人の男女が純粋に思い合っているのを目の前にして、笑って批判できない」と想像した。

 まひろと道長のキューピッドとしての役割を果たす一方、直秀自身もまひろに淡い恋心を抱いているように見える。第6話「二人の才女」(2月11日放送)では、散楽のメンバーに「惚れてるのか?」と聞かれ、「俺は誰にも惚れねぇよ」と口にした。このシーンがSNS上で「少女漫画みたい」「キュンキュンした」と反響を呼んだ。

 毎熊は世間の反応について「ちょっと想定外でした」と照れ笑い。直秀の恋愛感情を問われると、「あのシーンで初めて恋愛的な感情の意識が生まれたのかも」と答えた。「でも多分、恋愛の方法が分からない。好みのタイプとして好きなのかもしれないし、友達として、同志として好きなのかもしれないし、直秀自身もその種類は分かっていない」と、複雑な胸中を打ち明けた。

 25日に放送された第8話「招かれざる者」で、もうすぐ都を離れるという直秀は、まひろが見たことがない海には漁師が、山には木こりがいて、彼の国と商いをする商人もいるという。「一緒に行くか」と誘ったが、「行かねえよな」と笑う。毎熊は「まひろは外の自由な世界の方が向いていると思っている。直秀は、もし好意があっても認めていないと思う。あるいは気づいていない。何気なく“一緒に行くか”って言った感じ」と直秀の胸中を“代弁”した。

 毎熊は自身の役者人生について「うまくいったり幸せなことよりも、欠けてない部分や悲しいことの方が圧倒的に栄養分になっている気がする。歪んでいる部分と向き合うことで何かが出てくる」と回想。「反骨精神とか負のエネルギーを持って生きている気がする。そこは近いかもしれない」と、直秀と自身を重ねた。

 「優しさを隠したくても出てきちゃう。その優しさは大事な気がする。直秀は優しくしているつもりはないけど、傍から見ると優しく見えたりするのがいいなと思っています」。謎に包まれたニヒルな男の優しい眼差しが、多くの視聴者の心をつかんでいる。

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