江戸時代に三方五湖のある若狭の海産物を京都に運び、今年7月、唯一の日本遺産プレミアムに選定された鯖街道を見たくて、街道随一の宿場町として栄えた熊川宿を訪ねた。小浜線上中駅からバスで10分、全長約1・1キロの街道沿いには前川が流れ、宿場には熊川番所や伊藤忠商事2代目社長、伊藤竹之助の生家の旧逸見勘兵衛家住宅、同宿で最古の町家の重要文化財・荻野家住宅など古い町並みが今も残り、タイムスリップしたよう。
一方で古民家を利用した宿泊施設や陶芸工房、忍者体験館、カフェなどが相次いで開業。その中の一軒、岩本商店のこんにゃくのから揚げ(カップ小200円)がおいしかった。鯖街道の“仕上げ”は、新幹線敦賀駅から徒歩3分の「まるさん屋」=(電)0770(22)4528=で食べた浜焼さば御膳(税込み2475円)。脂がのったさばに串を刺し、丸ごと焼き上げた名物料理で、味とボリュームに圧倒された。