「8回の男」広島・島内の球団最多タイ37ホールドに隠された意識改革とは?

2023年09月18日 05:00

野球

「8回の男」広島・島内の球団最多タイ37ホールドに隠された意識改革とは?
<中・広>8回に登板し、1回無失点に抑えた島内(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島3―0中日 ( 2023年9月17日    バンテリンD )】 広島・島内颯太郎投手(26)が17日の中日戦で、球団最多に並ぶ37ホールド目を挙げ、勝利に貢献した。2―0の8回から2番手で登板し、1回無失点。16年のジャクソンに並び、球団史にその名を刻んだ。快勝のチームは3位・DeNAとの3ゲーム差を堅持し、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)広島開催へ、また一歩前進した。
 球団史にその名を刻み、チームの勝利に貢献した島内は試合後、喜びをかみしめた。

 「球団の記録に並べたのは、すごいうれしい。名前を刻めたのは光栄」

 2点リードの8回に登板。先頭の代打・後藤を中飛に打ち取るも、続く代打・ブライトには四球。さらに岡林には直球を左前にはじき返され、1死一、二塁のピンチを背負った。だが動じない。運にも恵まれた。続く大島を一直に仕留め、飛び出していた二走のブライトに帰塁を許さず併殺。結果、無失点で切り抜けた。56試合目の登板で、シーズン37ホールド目。リーグ制覇した16年ジャクソンが記録した球団記録に肩を並べ、新井監督からは「もともと、これぐらいできるポテンシャルは持っていた。自信にしてもらいたい」と賛辞を引き出した。

 「8回の男」として頼もしい働きを続ける背番号43。今季から取り組む意識改革が、その躍進を支えていた。

 「“ど真ん中に思い切って投げていこう”と意識が変わった。去年は真っすぐの走りも悪かったし、思ったように投げられなかった。狙ったところにいってくれ…と願いながら投げていたので、そこが去年とは違う」

 課題は制球面にあったが、思考法をシンプルにしたことで、心身両面のコントロールができるようになった。加えて今春キャンプで新井監督、藤井ヘッドコーチ、黒田球団アドバイザーらと面談を行う機会もあり「自分の球に自信を持っていいと言ってもらえた」。背中を押されたことも精神的なゆとりにつながった。与四球率5・21の昨季に対し、今季ここまで同2・42と大幅に改善された。

 その相乗効果か、直球の回転数も昨年から平均値が300回転近く上昇し、2300~2400回転を計測。スピンの利いた150キロ台の直球と120キロ台のチェンジアップを駆使して、リーグトップの39ホールドポイントを積み上げてきた。

 「(記録は)特に意識していない。チームの2位確保のほうが大事。ここからは気持ちも大事になってくる。一試合、一試合、力を出し切るぐらいの気持ちでやっていきたい」

 セットアッパー・島内はポストシーズンを見据え、残り8試合もフル回転を誓った。 (長谷川 凡記)

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