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北信越大会で帝京長岡が初の決勝進出 プロ注目の茨木が11球団スカウトの前で好投 芝草監督も評価

2024年06月04日 04:00

野球

北信越大会で帝京長岡が初の決勝進出 プロ注目の茨木が11球団スカウトの前で好投 芝草監督も評価
11球団のスカウトの前で好投した茨木 Photo By スポニチ
 第150回北信越高校野球大会の準決勝が3日、富山市民球場で行われ、帝京長岡(新潟1位)が初の決勝進出を決めた。プロ注目の先発・茨木佑太投手(3年)が、11球団のスカウトが見守る中、冷静な投球で2失点(自責1)にまとめ完投。福井工大福井(福井1位)に4―2で競り勝った。きょう4日の決勝では東京都市大塩尻(長野1位)と対戦する。
 着替えを済ませた茨木の右膝は血がにじんでいた。初回に三盗を決めた際にすりむいたのだ。だが、マウンドでは気にするそぶりも見せず、9回を悠々と投げきった。

 「まあまあでした。しっかり低めに、コースに集めれば負けないかなと思って、丁寧に投げることを意識して投げました」

 初回に敵失に乗じて3点を先制。楽な気持ちでマウンドに立てた。5回までに8奪三振。この日の最速は143キロで「感覚的には(球が)走っていなかった」と制球を重視。後半はスライダーとチェンジアップを巧みに織り交ぜ、凡打の山を築いた。

 6回に雨が激しくなり、2四死球と安打で2死満塁のピンチを招いた。続く5番・酒井大地(3年)を迎えた場面で35分間の中断。ベンチで着替えを済ませ、捕手の有馬凛空(2年)と対策を練った。「前の打席はチェンジアップで三振だった」。スライダーと直球で2ボール1ストライクと追い込み、ファウルの後の5球目。120キロのチェンジアップで中飛に仕留めてピンチを脱した。

 4点リードの7回に失策絡みで2点を失い、今春の公式戦で初めて失点した。流れを失いかけたが、頭に浮かんだのは昨秋の準々決勝。同じ福井県勢の敦賀気比に終盤に逆転され、センバツへの道を絶たれた。「先頭を抑えることを意識して8、9回を0に抑えて勝つことができた。去年の経験を生かせた」と振り返った。

 ネット裏には11球団のスカウトが集結。ほとんどの球団が幹部を伴い、複数人態勢でクロスチェックを行った。芝草宇宙監督は「十分です。あれが茨木の成長したところ。ムキになったりせず、非常にクレバーな投球をしてくれた」とエースの投球を評価した。

 きょう4日の決勝に勝てば初優勝が決まる。「まずこの春を制して夏に生かせるように」と茨木。最終目標の夏の甲子園に向けて、まずは北信越の頂点に立つ。 (白鳥 健太郎)

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