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【スポニチスカウト部(17)】白鴎大足利・松浦舜は、木製のしなり生かす巧打者

2024年06月04日 06:00

野球

【スポニチスカウト部(17)】白鴎大足利・松浦舜は、木製のしなり生かす巧打者
木製バットで快音を響かせる白?大足利・松浦(撮影・村井 樹) Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第17回は、白鴎大足利(栃木)の松浦舜外野手(3年)。走攻守三拍子そろった栃木が誇る安打製造機の魅力に迫った。
 乾いた木の音が何度も球場に響いた。群馬で行われた春季高校野球関東大会で、1番打者として打率・353をマークし、初優勝に大きく貢献した松浦。右へ左へ巧みに打ち分け「逆方向の打球もだいぶ伸びるようになったので、うまくしなりが使えている」と手応えを口にした。

 2月から使い始めた木製バットが、松浦の魅力をさらに引き出した。昨秋から低反発の金属バットでの練習を繰り返してきたが「うまく使いこなすことができなかった」。3月の練習試合解禁を前に、思い切って木製バットを手にすると「しなりを生かせることが自分には合っていた」と好感触を得た。

 その後は木のしなりを生かした打撃ができるよう、ギリギリまで球を引きつけてコースに逆らわずにはじき返す練習を繰り返した。元々、柔らかい手首を生かしたバットコントロールには定評があり直井秀太監督も「求めるレベルが高い分、まだまだな部分は多いが、うまく扱っている」と評価した。

 昨年は想像もしていなかった現実を受け止められず、一人悩み続けた時期もあった。野球を始めた小2から遊撃を本職としてきたが「イップスというか、急に投げる時に腕が振れなくなって…」と昨秋から送球難に悩まされた。直井監督と話し合った結果、今年1月から外野へ挑戦。「体を大きく使えるのでその症状はなくなりました」と守備の悩みが消え、打撃でも好結果を残せるようになった。

 プロ注目の最速152キロ右腕・昆野太晴(3年)を目的に駆け付けたスカウトが、松浦の打撃を見て評価することも少なくない。いつかは同じように注目されるため「昆野だけじゃないぞと。打線は自分が引っ張って甲子園へ行きたい」と最後の夏に懸ける思いも強くなった。14年春以来10年ぶりの甲子園出場を決め、聖地でも乾いた木の快音を響かせるイメージはできている。 (村井 樹)

《仲間5人と夢かなえる》
 ○…宮城県出身の松浦は甲子園出場を目指して白鴎大足利へ進学。「一緒に甲子園へ行こう」と、昆野や4番・八角勇羽(3年)ら七ケ浜シニア時代の仲間5人で宮城からやって来た。特に昆野は高校で一気にプロ注目へと成長し「中学からの伸びが凄くて150キロ投げた時はマジかと。負けていられないですね」。5人で野球ができる最後の夏は「ずっと一緒に過ごしてきたみんなと夢をかなえたいです」と話した。

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