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巨人 伝説再び!96年メークドラマ以来 ミスターの前で球団タイ9連打 全部単打ヒットパレード

2024年06月05日 05:30

野球

巨人 伝説再び!96年メークドラマ以来 ミスターの前で球団タイ9連打 全部単打ヒットパレード
<巨・ロ>3回、ヘルナンデスの安打に盛り上がる巨人ベンチ(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【交流戦   巨人18―2ロッテ ( 2024年6月4日    東京D )】 巨人は4日、ロッテ戦で打線がともに今季最多となる23安打18得点で大勝。3回に1996年に大逆転優勝を決めた「メークドラマ」の起点となった7月9日の広島戦以来、28年ぶりの9連打を記録するなど、セ・リーグタイ記録の1イニング12安打の猛攻で一挙11点を奪った。当時に指揮を執っていた長嶋茂雄終身名誉監督(88)も観戦に訪れた試合で伝説を再現したチームは、セ・リーグ首位をキープし、交流戦の首位にも浮上した。
 歓声が止まらない。会心の当たりも、ボテボテのゴロも、詰まった飛球も安打になる。試合前時点で総得点がリーグワーストタイと貧打だった打線がうそのようだ。歴史的な9連打は3回。実に20分30秒に及ぶヒットパレードに、試合後の阿部監督も興奮気味だった。

 「凄かった。何とかみんながつなごうという意識が出た結果。サインも何もなかったけど、とにかく凄い」

 先頭の2番・ヘルナンデスの来日初出場から7試合連続安打となる左前打が始まりだった。吉川、岡本和、坂本らも安打で続き、投手の山崎伊も左前打で8連打。1番・丸も左前にポトリと落とし、札幌円山球場で96年7月9日に行われた広島戦以来、28年ぶり2度目の球団タイ記録となる9連打が完成した。

 まさに伝説の試合がよみがえった。96年の前回9連打の試合は当時監督で現在は終身名誉監督を務める長嶋茂雄氏が名付けた「メークドラマ」の起点となった試合。この日は、そのミスターも観戦に訪れていた。連打が途切れた後も打線の勢いは止まらずセ・リーグタイ、球団新記録となる1イニング12安打で一挙11得点。全て単打の猛攻に、指揮官も「(長嶋氏が)大喜びして帰ったと思う」と笑った。

 28年前、球史に残る一戦の9日前に生まれた岡本和は「凄いですよね、9連打って。やばいですよね」と目を丸くする。現在は「第89代4番」に成長した27歳は、3回は連打で回った無死一、二塁から決勝の左前打。打者一巡で迎えた1死満塁でも左前適時打を放ち「みんな凄い打つので置いてかれなくて本当に良かった」と笑う。7回も2点二塁打で4打点を加え、リーグトップの31打点とした。

 打線はともに今季最多の23安打18得点で大勝し今季最多タイの貯金5。リーグ首位をキープし、同時に交流戦の首位にも浮上した。28年前の当時メンバーで満塁弾で9連打に花を添えた川相内野守備コーチは、一塁コーチで歴史的猛打を見守り「当時を思い出した。あの時はあれから勢いに乗ったからね。連打連打~♪(リンダリンダ)」と人気バンド「ザ・ブルーハーツ」の名曲に引っかけておやじギャグをさく裂させるほど上機嫌だった。

 岡本和は「これからも、明日も、つないでいけるよう頑張りたい」と見据える。23安打中、19本が単打。阿部監督が目指す一丸野球を象徴していた。(小野寺 大)

 ≪セ・リーグタイ記録 1イニング12安打≫巨人が3回に9者連続を含む1イニング12安打で11得点。9者以上連続安打は10年6月7日にロッテとオリックスがそれぞれ10者連続安打を記録して以来プロ野球11度目。巨人では96年7月9日広島戦の2回に並ぶ球団タイ記録となった。オール単打の9者連続安打は09年のヤクルトに次いで2度目だ。また、1イニング12安打は阪神が69年5月27日アトムズ戦の6回に記録して以来のセ・タイ記録。巨人では15年8月19日阪神戦(5回)まで過去3度あった10安打を抜く球団新記録だ。なお、巨人の1イニング2桁得点は20年9月3日DeNA戦の2回の10得点以来4年ぶり、交流 戦では初めて。

 ▽巨人の前回1イニング9連打 札幌市内の円山球場で行われた96年7月9日の広島戦で、1点を追う2回に2死無走者から球団史上初の1イニング9連打。川相昌弘(現内野守備コーチ)の満塁本塁打もあり、同回に一挙7点を奪った。11ゲーム差で迎えた首位との一戦を10―8で制して勢いに乗り、シーズン100試合目の8月20日に単独首位に立った。10月6日の中日戦(ナゴヤ)でリーグ優勝。当時の長嶋茂雄監督が首位と最大11・5ゲーム差をひっくり返す「メークドラマ」を達成した。

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