槙原寛己氏 28年前の伝説の一戦が分岐点に つながりだした打線…再現へきっかけになる

2024年06月05日 05:30

野球

槙原寛己氏 28年前の伝説の一戦が分岐点に つながりだした打線…再現へきっかけになる
<巨・ロ>ナインを迎える阿部監督(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【交流戦   巨人18―2ロッテ ( 2024年6月4日    東京D )】 巨人は4日、ロッテ戦で打線がともに今季最多となる23安打18得点で大勝。3回に1996年に大逆転優勝を決めた「メークドラマ」の起点となった7月9日の広島戦以来、28年ぶりの9連打を記録するなど、セ・リーグタイ記録の1イニング12安打の猛攻で一挙11点を奪った。当時に指揮を執っていた長嶋茂雄終身名誉監督(88)も観戦に訪れた試合で伝説を再現したチームは、セ・リーグ首位をキープし、交流戦の首位にも浮上した。
 3回の巨人の猛攻はちょうどテレビで見ていた。28年前。メークドラマの「起点」になった札幌円山球場での伝説の試合も、実はテレビだった。そんなことを思い出した。

 チームの札幌遠征に同行。ただ、登板予定のなかった私はいわゆる「上がり」で、試合前に球場を後にしていた。広島戦。9連打の時は札幌市内の宿舎にいた。止まらない打線は非常に頼もしかったけど、あまり打ち過ぎると私の登板の時に打たないのでは…。冗談でそんなことを思った。もちろん宿舎に帰って来たナインは大騒ぎ。劇的勝利の余韻に酔って、札幌の夜の食事はおいしかった。

 当時、あの試合で確実にチームのムードは変わった。選手はみんな、自信めいたものが生まれた。分岐点。もしかしたら今年も同じかもしれない。今季ここまで苦しんでいた打線とは思えない。交流戦に入って非常にいい勝ち方が続き、打線もつながりだした。その象徴ともいえる猛攻だった。特に1番・丸、2番・ヘルナンデス。上位のこの2人の働きが大きい。28年前の再現。そのきっかけになる試合だったと思う。(スポニチ本紙評論家)

おすすめテーマ

2024年06月05日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム