ソフトB・和田 パ史上初42歳6勝 ウイニングボールは近藤にプレゼント 「記録知らなかった」

2023年08月11日 05:00

野球

ソフトB・和田 パ史上初42歳6勝 ウイニングボールは近藤にプレゼント 「記録知らなかった」
<ソ・楽>6勝目を挙げた和田はウイニングボールを手に笑顔を見せる(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク11―4楽天 ( 2023年8月10日    ペイペイD )】 ソフトバンクの和田毅投手(42)が10日の楽天戦で、5回2/3、3安打1失点と好投し、6月9日の巨人戦以来約2カ月ぶりの6勝目を手にした。42歳以上のシーズンでの6勝以上は、セ・リーグでは過去6人(7回)いるが、パでは史上初の快挙。田中将大投手(34)との投げ合いは5度目で初めて勝利投手になった。また、首位のオリックスが敗れ、再び、自力優勝の可能性が復活した。
 最少失点で降板した後も、和田は6回無死一塁での死球を思い返していた。ベンチでぶつぶつ。完璧な仕事だったはずだ。自らを説得できたのか3度うなずいた。

 「あれ(死球)がなければ6回完了できた。悔しいし、申し訳ない。マー君(田中将)だからではないけど、同じ相手に(1シーズン)3回負けるわけにはいかない。気持ちを込めて意識してマウンドに上がりました」

 5回2/33安打1失点で約2カ月ぶり白星。日米通算196勝、34歳の田中将と今季3度目の投げ合い。42歳の左腕は日米通算161勝目を手にし、自らの連敗も3で止めた。

 4―0の6回1死二、三塁から中犠飛で1点を失っただけ。宝刀のスライダーが切れた。「制球、感覚ともに良かった。内、外角ともにいい感じでした」とこの日の92球のうち、スライダーが最多47球。打者21人中、14人の決め球に使った。

 7月には7年ぶりのオールスターに出場。最年長右腕はここぞとばかりに全パの投手と交流する。「自分から話しかけに行った。いろんな考え方や球種があった。野球人生でプラスになったし、末恐ろしい投手たちが集まっていた」。オリックスの山本、ロッテ・佐々木朗には出力の出し方、日本ハム・上沢にはキャリア後に残るものは何か聞かれた。西武・平良とはゲーム配信の話で盛り上がる。まるでスポンジのように若手の考えを吸収し、後半戦に備えた。

 チームトップの6勝目。さらには42歳以上でのシーズン6勝以上は2010年の木田優夫(日本ハム)の5勝を上回り、リーグ史上初の快挙となった。ただ、ウイニングボールは9日に双子の女児が誕生した近藤にプレゼント。「(記録は)知らなかったし、チームがあっての自分なんで。中継ぎ、野手の方があってこそ。感謝です」。そういう男だ。

 首位オリックスが敗れて再び、自力優勝の可能性が復活した。藤本監督は「和田が飛ばしてくれてね、点をやらない気持ちが見えたね。まだまだチャンスはあるし、選手もまだまだあきらめてはいない」と前を向いた。

 台風一過に14安打11得点の快勝劇。「残り試合はたくさんある。6、7、8勝と勝っていくように。チームに貢献するだけ」。和田の姿勢、執念。間違いなく、残りの46試合に響いた92球だった。(井上 満夫)

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