ソフトB・野村大 高卒5年目プロ1号「ひと振りに全集中」 早実で高校通算68発の大砲候補お待たせ

2023年08月23日 06:05

野球

ソフトB・野村大 高卒5年目プロ1号「ひと振りに全集中」 早実で高校通算68発の大砲候補お待たせ
<ロ・ソ>8回、代打・野村大がソロ本塁打を放つ(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク3―5ロッテ ( 2023年8月22日    ZOZOマリン )】 ソフトバンクの5年目・野村大樹内野手(22)が22日、ロッテ戦でプロ初本塁打を放った。2―5の8回1死、プロ148打席目での念願の一発だ。早実では1学年上に日本ハム・清宮幸太郎内野手(24)がいる中で4番を張った男が、レギュラー奪取へ猛アピールだ。チームは連敗を喫し、2位ロッテとのゲーム差は3・5に広がったが、栗原陵矢外野手(27)も2試合連続で13号2ランなど直近4戦3発と打撃の状態を上げている。
 何とかする――。野村大は、それだけを考えていた。2―5の8回1死、9番・甲斐の代打。カウント2―1から左腕・坂本の高めに浮いた4球目外角直球を、思い切り振った。打球は右翼ポール際最前列へ。高卒5年目でプロ初本塁打だ。

 「このひと振りに全集中しました。チャンスメークの意識でしたが、しっかり捉えることができた。持ち味である右方向に打つことができて良かった」

 悔しさが乗り移った白球は、手元に戻った。7月10日に「特例2023」で出場選手登録を抹消された今宮の代替として昇格したがベンチ待機のまま、12日に代替終了。3日間で2軍に戻った。「何とも言えない悔しさでした」。今月12日に3度目の昇格を果たしたが、今季9度目の先発出場となった17日のオリックス戦で3打数無安打など、焦りからか結果が出なかった。

 「高校では打っていたけどプロではなかなか。これで自信になりますけど、もっと早く打ちたかったです」。早実から18年ドラフト3位で入団。1学年上の清宮(日本ハム)が3番、野村大が4番で甲子園を沸かせた。高校通算68本塁打の大砲候補は、19年の初出場から70試合、148打席、31安打目で待望の初アーチを描いた。

 オフに徹底した筋力トレーニングで下半身を追い込む男。今年1月には「去年はライトライナーがもう少しだった。今年は太腿をしっかりやっていけたら。強風のときの打席で足のぐらつきが違う」。ZOZOマリンに強い雨風が吹く中、下半身の力で運んだ。

 2、3軍の監督時代から指導してきた野村大の一発には敗戦で苦かった藤本監督の表情も少しだけ和らぐ。「本塁打は立派。勝負強い打者だからね」。

 ZOZOマリンでは4連敗。1勝7敗1分けと鬼門と化している。連敗でロッテと3・5差。勝った首位オリックスとは今季最大11ゲーム差となった。

 野村大は試合前、円陣で声出し。「最近、ドラマにはまっているんですけど、ドラマって自分の思い通りにならない。野球も思い通りにならない。それが人生。思い通りにならなくても全力でプレーして勝っていきましょう」と叫んだ。残り37試合。ドラマを起こせるとすれば、こんな若鷹の台頭が必要だ。(井上 満夫)

 ◇野村 大樹(のむら・だいじゅ)2000年(平12)9月10日生まれ、兵庫県出身の22歳。小1から野球を始め、同志社中時代は「大阪福島リトルシニア」に所属し、U―15日本代表にも選ばれた。早実では日本ハム・清宮の1学年後輩で1年夏からレギュラー。高校通算68本塁打。18年、ドラフト3位でソフトバンクに入団。19年に1軍初出場初安打した。1メートル71、84キロ。右投げ右打ち。

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