慶応打線にボコボコにされた29年前の記憶 シートノックは外野から始める「エンジョイ・ベースボール」

2023年08月23日 16:52

野球

慶応打線にボコボコにされた29年前の記憶 シートノックは外野から始める「エンジョイ・ベースボール」
<仙台育英・慶応>仙台育英に勝利し、歓喜する慶応ナイン (撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 1994年秋。秋季高校野球神奈川県大会2回戦。県立座間高校の野球部1年生だった私は、慶応高校との一戦に先発した。当時は相手ベンチから野次が飛び交うのが当たり前の時代だったが、慶応高校の選手たちは、上品な声を出していたように記憶している。立ち上がりからストライクは全てフルスイングする打線にすぐにつかまった。一発も打たれた。7回くらいまで投げて、9点くらい取られた。佐藤友亮(現日本ハム2軍野手育成コーディネーター兼打撃コーチ)にも打たれた。凄い打線だった。
 当時の監督だった上田誠さんは、面白い指導をする方だった。私が大学時代に米国でキャンプをすることがあり、現地でオープン戦があった。相手ベンチを見ると、日本人の指導者がいた。上田さんだった。米国の大学でベースボールを学んでいた。

 入社後に慶応高校を取材したことがあるが、試合前のシートノックから独特だった。ほとんどの高校は内野のボール回しをして、ノッカーが三塁ゴロから打ち始めるのが常識だった。ところが、慶応高校は違った。プロ野球みたいに、まずは外野ノックから始めていた。指導者の顔色を伺うこともなく、試合中も楽しそうに野球をしていた。「エンジョイ・ベースボール」の伝統は受け継がれていた。甲子園の決勝の舞台でも、慶応高校ナインは本当に楽しそうに野球をやっていた。
(12~15、21年アマ野球担当・川島 毅洋)

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