【甲子園】慶応・森林監督が男泣き「全員の勝利」「可能性、多様性…新しい姿につながる勝利」

2023年08月23日 16:58

野球

【甲子園】慶応・森林監督が男泣き「全員の勝利」「可能性、多様性…新しい姿につながる勝利」
<仙台育英・慶応>優勝を決め喜ぶ慶応ナイン(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会最終日・決勝   慶応8―2仙台育英 ( 2023年8月23日    甲子園 )】 第105回全国高校野球選手権大会最終日は23日、甲子園球場で決勝が行われ、慶応(神奈川)が仙台育英(宮城)を8―2で下して1916年以来、107年ぶり2度目の優勝を果たした。
 準優勝した1920年以来103年ぶりの決勝で選手は躍動した。これまでの夏の甲子園の最大ブランク優勝は1962年→2016年の作新学院(栃木)の54年ぶりで、これを更新した。16年は豊中球場、20年は鳴尾球場開催で、103年ぶりの決勝は「甲子園初優勝」を目指した舞台だった。森林貴彦監督(50)は優勝した涙を必死にこらえ、ナインを頼もしそうに見つめた。仙台育英の須江監督から「おめでとう」と祝福されると、「またよろしくお願いします」と激闘を称え合った。

 大声援の中、優勝監督インタビューで森林監督は「だいぶ(目に)光るものがありますが」と話した後、「仙台育英さん、この球場に来ていただいた観客のみなさんのおかげで実力プラスアルファの部分が出せたんじゃないかと思い、感謝しています」と頭を下げた。世紀を超えた深紅の大優勝旗。「球場の応援のみなさんもそうですし、テレビの向こう、ネットの向こうにいらっしゃる本当に多くの方々に応援されて、支えてもらってきょうの試合がありますし、京に結果があります。本当にありがとうございます」と話すと、球場から割れんばかりの拍手が起きた。

 慶応は初回、丸田湊斗(3年)が夏の甲子園決勝戦史上初となる先頭打者本塁打を放ち先制。2回にも丸田の適時打で3点目を奪った。指揮官は「ちょうどキャプテンがじゃんけんに負けて先行にしてくれたんで。これは表にまず行きたいなと思って、ひそかに狙ってましたが見事な当たりでした」とし、13安打8得点の打線には「打ったバッターもそうなんですけど、分析を担当してくれた大学生のコーチとか、高校3年生のスタッフとか、みんなのおかげ」と称えた。
 
 投げては先発した背番号10・鈴木佳門(2年)が4回2失点と粘投。5回からマウンドに上がったエース・小宅雅己(2年)も仙台育英打線を封じた。森林監督も「何とか鈴木がこの場で覚醒してくれればいいなと思って送り出し、途中から小宅と考えていた。2人でよくつないでくれました」と評した。

 「100人を超える大所帯で、甲子園のベンチに入れるのはたった20人。でも、ほかに色んな仕事があって、色んな役割をまっとうしてくれたので、本当に全員の勝利です」と森林監督。「ウチがこうやって優勝することで、高校野球の新たな可能性とか、多様性とか、そういったものを何か示せればいいなと思って、日本一を目指して、常識を覆すという目的に向けて頑張ってきた。何かウチの優勝から新しいものが生まれてくるということがあるのであれば、本当にうれしく思いますし、ウチの優勝だけではなくて、高校野球の新しい姿につながるような勝利だったのではないかと思います」と力を込めた。

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