広島・堂林2打席連発 高校球児に負けない“燃える夏男” 阪神と7差も「最後の最後まで分からない」

2023年08月23日 06:10

野球

広島・堂林2打席連発 高校球児に負けない“燃える夏男” 阪神と7差も「最後の最後まで分からない」
<D・広>4回、ソロを放つ堂林(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島5―0DeNA ( 2023年8月22日    横浜 )】 広島・堂林翔太内野手(32)が22日のDeNA戦で、9年ぶりに2打席連続アーチをかけた。初回に2戦連発となる8号2ランを右中間へ運ぶと、4回には左越え9号ソロ。8月は5本目と覚醒モードに入った。投げては中5日の九里亜蓮投手(31)が今季最多128球の熱投で9回を7安打零封。今季3度目の完封で約2カ月ぶりの7勝目だ。チームは3連勝。首位・阪神とは7ゲーム差のままでも、反撃への手は緩めない。
 5球連続で内懐を厳しく攻められても動じなかった。4―0で迎えた4回の先頭。敵のエース・今永がカウント3―1から投じた145キロの直球を振り抜くと、堂林の打球は赤いファンが待つ左翼最前列へ吸い込まれた。2打席連続の9号だ。

 「中途半端にはいかないよう、僕自身も意識していた。1本目は特にいい方向へ打てたかなと思います」

 2戦連発となる自画自賛の8号2ランは初回だった。西川の適時打で2点を先制し、なおも2死一塁で外角低め146キロ直球を右中間席へ。14年9月13日の阪神戦以来、9年ぶりの2打席連続アーチで、試合前時点で対戦防御率0・44を誇っていた難敵を粉砕した。

 8月に入って覚醒した。打率・357、5本塁打、12打点。7月下旬、本拠地マツダスタジアムでの早出特打が分岐点だった。ベテランの松山が見守る前でロングティーに汗を流し、忘れかけていた感覚がよみがえった。

 「ロングティーは上半身だけで打っていると打球が飛ばない。忘れていたというか、思い出した部分もある。いいキッカケになっているかなと思います」

 その場で、打撃自慢の37歳は「打席の中で(動きが)おとなしいから、ステップ幅をもう少し広げ、ボールの下に入り込むような意識で」と助言。元来、飛距離には定評がある。体全体を使って打つ感覚を再び取り戻した時、堂林が快音を連発するのは必然だった。

 「(高校野球は)見ています。思い出すことはあるけど、思い出したくない部分もあります(苦笑い)」

 熱戦を繰り広げた夏の甲子園は23日が決勝戦。09年8月、堂林も聖地で輝いた。4番・エースとして中京大中京をけん引。決勝では日本文理の猛反撃に遭い、降板を余儀なくされながらも優勝を遂げた。あれから14年。ひのき舞台で得たものは、という問いへの答えが示唆に富む。

 「試合は、最後の最後まで分からないということですね」

 ペナントレースだって同じだ。首位・阪神とは7ゲーム差でも、決着はまだついていない。逆転へ。堂林は言葉に力を込めた。(江尾 卓也)

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