阪神サヨナラ呼んだ岡田野球の真骨頂 10回中野と森下が四球でつないだ

2023年08月23日 05:15

野球

阪神サヨナラ呼んだ岡田野球の真骨頂 10回中野と森下が四球でつないだ
<神・中>10回、サヨナラ適時打を放ち、ウオーターシャワーを受ける大山(左から2人目)(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―3中日 ( 2023年8月22日    京セラD )】 阪神は22日の中日戦に延長10回サヨナラ勝ちし、優勝へのマジックを「25」とした。同点の10回2死満塁で4番・大山悠輔内野手(28)が、左翼線へ自身2年ぶり6本目となるサヨナラ打を放ち、今季8度目のサヨナラ勝ちに導いた。直前には中野と森下が連続四球でつなぐなど、チーム全体で9つの四球を選んだ攻撃に岡田監督も手応え。チームは3連勝で今季最多の貯金25を蓄えた。
 4時間25分の激闘に終止符を打ったのは、主砲の一振りだった。延長10回2死満塁、大山はカウント2―1から7番手・田島の139キロを強振。手に残る感触とともに劇的勝利を確信し、一塁へ走り出すと同時に右手を掲げていた。自身2年ぶり6度目のサヨナラ打に、京セラドームは大盛り上がり。歓喜のウオーターシャワーにまみれ、満面の笑みを浮かべた。

 「投手陣もしっかり抑えてくれて、前の打者が必死につないでくれた。どんな形であれサードランナーを還そうと思っていたので、還したことが何より」

 胸を張れるチーム一丸のサヨナラ劇だった。2死から近本が中前打した後、中野は5球、森下は8球粘っていずれも四球を選んで出塁。岡田監督就任後からチーム全体として掲げてきた、四球獲得への意識付けが首位独走の一因となっている。この日も6月11日の日本ハム戦と並ぶ今季最多の9四球を選ぶなど、ここまでチーム全体で390四球。343四球で2位のヤクルトに47個もの差をつけ、両リーグトップをひた走る。指揮官もニヤリと笑った。

 「ボール球を見極めたときが一番声が出るなあ、ベンチが。シーズンの最初より今の方が声が出る。やっぱりそれはみんな分かっていることであって、最後も四球、四球。そういうことやんか」

 リーグトップの73四球を選んでいる大山も、選手間の共通理解が深まる現状に手応えを示す。「塁に出ているんで、喜ばない選手はいないですし。そうやってみんなが必死につないでいかないと、なかなか勝つことは難しい。一丸となってできていることだと思うので、そういうつながりは大事にしていきたい」。次打者へとつなぐ意識が打線全体として連鎖を生み、リーグトップの425得点に結びついている。

 「最終的にどんな形であれ、勝っていることが一番。まずは一つ一つなので、まずは目の前の一試合を、チーム一丸となって戦っていくだけ」

 頼れる4番は一戦必勝を誓った。貯金を今季最多の25とし、優勝へのマジックも「25」に。一丸の姿勢が崩れない限り、岡田阪神の独走態勢に揺るぎはない。(阪井 日向)

 ≪2年ぶり劇打≫大山(神)のサヨナラ打は21年9月4日、巨人戦(甲子園)の9回、左越え2ラン以来2年ぶり6本目。京セラドームでは19年8月10日の広島戦9回、右越え3ラン以来4年ぶり2本目。

 ≪京セラ7戦7勝≫チームは今季京セラドームで無傷の7連勝。同球場では05、15年の6連勝を上回る最多記録となった。今季はきょう23日の中日戦を残すのみ。シーズン全勝で終えれば、初めて試合を行った97年以降、27年間で初めてだ。

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