仙台育英150キロトリオ投入 左腕・仁田は天国の祖父に連覇届ける!宮城大会の最中に死去

2023年08月23日 05:05

野球

仙台育英150キロトリオ投入 左腕・仁田は天国の祖父に連覇届ける!宮城大会の最中に死去
空を見上げる仙台育英・仁田(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会 】 東北勢として初の甲子園大会優勝を果たした日から、この日でちょうど365日。西宮市内で約1時間の練習を行った仙台育英(宮城)・須江航監督は「終わりじゃなくて新しいスタートになる」と決戦の23日を、新たに始まる1日目ととらえた。
 チームがテーマとする「2回目の初優勝」への相手は、屈指の伝統校・慶応。「とてつもない応援を繰り広げてましたけど、(さらに)超えてくる」と相手の大応援団の存在も警戒した。指揮官は「決勝戦ですから出し惜しまない」と150キロトリオ投入を示唆した。最速151キロ右腕・高橋煌稀(3年)、同153キロ右腕・湯田統真(3年)に加え、昨夏、今夏の甲子園で計6回2/3を無失点中と夏に強い151キロ左腕の仁田陽翔(3年)が、特別な思いを胸に決戦に向かう。

 7月22日の宮城大会の準決勝の試合中。母・美千子さんの故郷、埼玉で闘病中だった祖父・元橋工(つとむ)さんが84歳で亡くなった。「最強投手陣」の中で唯一、プロ志望の仁田。埼玉に帰省するたび、野球とお酒が大好きな祖父から「プロに行ってくれよ」と言われたことが忘れられない。宮城大会優勝後、単身で埼玉へ。約束を果たす前に旅立った祖父に別れを告げた。

 花巻東(岩手)との準々決勝では、今大会左腕最速の149キロをマークした。計2回2/3を無失点も4四球と安定感を欠くが、泣いても笑っても高校野球を終える一日。「やってきたことを全て出したい。きっと(祖父も)喜んでくれると思う」と仁田。約束を果たすため、史上7校目の夏連覇へ。さまざまな思いを込めて腕を振る。(柳内 遼平)

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