【スポニチスカウト部(35)】BC新潟・伊藤琉偉 波乱の1年 最後に花を咲かせる

2023年10月03日 06:30

野球

【スポニチスカウト部(35)】BC新潟・伊藤琉偉 波乱の1年 最後に花を咲かせる
DeNA2軍との交流試合で華麗に打球をさばBC新潟・伊藤 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第35回はルートインBCリーグ・新潟の伊藤琉偉(りゅうい)内野手(21)。今年5月に入団したルーキーだが、俊足と強肩がスカウトの目に留まり、ドラフト候補として注目を浴びるまでに急成長を遂げている。 【ドラフト速報
 今春、東農大を退学した伊藤は草野球チームでプレーしていた。「単位が取れず大学を辞めざるを得なくなってしまい…。一度は諦めた夢だがチャンスがあるなら絶対に行きたい」。半年後、野球を始めた頃からの夢をかなえるため、伊藤は独立リーグの舞台で必死にアピールを続けている。

 東農大二(群馬)時代もスカウトが注目する存在だったが「まだプロでやれる自信がなくて」と、当時東都2部に所属していた東農大へ進学。1年春からリーグ戦に出場するなど期待されていたが、「勉強についていけなかった」と苦笑い。1年生でまさかの留年を経験すると「親からも“次留年したらないぞ”と言われていたんですが…」と再び単位が足りず、今年3月に退学した。プロ野球選手の夢も諦めかけていたが、中学時代に所属していた高崎中央ボーイズの関係者を通じてBC新潟に入団。「新潟に行って良かった。本当にありがたい」と感謝の言葉を続けた。

 入団後は守備力が評価されて、すぐにリーグ戦に出場。打撃でも大学までとは違い、逆方向への打撃を意識したことで率も残せるようになり、打順も徐々に上がって最終的には3番を任されるまでになった。途中入団ながら打率・336で4本塁打、32打点とチームに欠かせない存在となっていた。

 結果とともに徐々にプロからも注目されるようになった。9月21日に行われたDeNA2軍との交流試合では、1番打者としてスカウトの前で3安打とアピール。「見られていて意識してしまったが3安打できたことは良かった」と話した。

 大学退学から始まった波乱の23年。プロ入りという最高の形で終えるため「(スカウトに)見てもらう機会がまだあれば、自分のやれることをしっかり出したい」と、最後の最後までアピールを続ける覚悟だ。 (村井 樹)

 ≪元チームメートにエール≫本来なら大学3年生だった伊藤。21歳と若いこともあり、多くのスカウトが「将来性」を含めて評価している。退学後は独立リーグでプレーすることは考えていなかったというが「来てみたらレベルが高くて。NPBでプレーしていた選手とかもいてレベルが高いなと。本当にここに来られて良かった」とリーグの魅力を語り、感謝した。昨年まで所属した東農大は今春は東都3部に降格。「落ちてしまいましたが、頑張ってほしいです」とかつてのチームメートたちへのエールも忘れなかった。

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