復帰した“大きな翼”ソフトバンク・周東「走れたらいいなというくらいで」 速攻で昨年の悪夢を振り払う

2023年10月03日 06:00

野球

復帰した“大きな翼”ソフトバンク・周東「走れたらいいなというくらいで」 速攻で昨年の悪夢を振り払う
<ソ・楽>初回、柳田の適時打で生還する二走・周東(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク6ー0楽天 ( 2023年10月2日    ペイペイ )】 昨年最終戦でV逸した因縁の「10・2」の悪夢を振り払った。ソフトバンクは2日、2位で並ぶ楽天と対戦し初回、3試合ぶり復帰の1番・周東佑京内野手(27)が右前打で出塁すると、1死二塁から柳田悠岐外野手(34)が、先制の左前打を放つなど田中将からいきなり2得点。その後も4点を追加する快勝で楽天との変則3番勝負の初戦を制し、残り3試合で再び単独2位となった。3日の楽天戦にも勝てばCS進出へ王手がかかる。
 忘れもしない10月2日から1年後の同日。鷹は2位で並ばれていた鷲(ワシ)を早々に突き放した。羽ばたくのに必要な“大きな翼”が戻ってきた。1番・周東だ。

 「100%はまだですが出られますと伝えて。走れたらいいなというくらいで抜くとこは抜いて」

 9月29日の西武戦で左太腿裏の軽度の肉離れのため途中交代で、トレーナーの判断は2日間の休養。3試合ぶりにスタメン復帰すると、快速先制劇の主役となった。

 プレーボールから2球目。田中将のスプリットを右前打。なおも1死二塁で柳田の打球は左翼手・岡島の前方、遊撃手・村林の後方にポトリと落ちた。岡島はグラブを上げる“オーライ”のフェイクをかけたが、ワンバウンドで捕球。周東は帰塁せず、抜群の判断力を発揮し生還した。

 「落ちると思ってたんでスタート切れた。柳田さんなので(守備位置は)前には来ていないな。あの打球なら」

 先制の決勝打に柳田も「足が速いんでね、頼りになりますよ。ナイス判断でしょう」とご機嫌で称えた。周東が出て、柳田が還す。理想形が復活した。藤本監督も興奮気味に喜んだ。「あのスタートと足は周東しかできない。打撃もいいし足も生かせる。一番、うちに欠かせない選手になってきた」とカムバックに大喜びだ。

 この日の試合前の円陣。声出しに異例といえる藤本監督の姿もあった。「残り4試合、1戦必勝で悔いのないようにやろうと伝えた」。打線にエンジンがかかるのも速かった。

 昨年10月2日、ZOZOマリンでのロッテ戦。勝ちか引き分けでリーグ優勝が決まる一戦で敗戦。オリックスに同率首位で優勝を奪われた。周東は「去年は優勝がかかっていた。状況は違うが勝つことには変わりないと考えてます」と切り替える。

 大混戦のCS争いは続く。楽天との変則3番勝負の初戦を取った。これで再び単独2位。この日勝った3位ロッテと0・5差、4位楽天とは1差。きょう3日の楽天戦に勝てばCS進出に王手がかかる。「もうやるしかないので。負けたら厳しくなる。いい働きができたら」。鷹に欠かせない男は、頼もしく再出発した。 (井上 満夫)

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