【筑後鷹】水谷はなぜ?打撃開眼したか 8月の月間打率5割超えから好調維持

2023年10月03日 05:30

野球

【筑後鷹】水谷はなぜ?打撃開眼したか 8月の月間打率5割超えから好調維持
ノーステップ打法に取り組む水谷 Photo By スポニチ
 ソフトバンクのファーム情報をお届けする筑後鷹の第48回は高卒5年目の水谷瞬外野手(22)。8月の月間打率・526。9月も打率・299と好調をキープした。マジック1で迎えた先月29日の中日戦(タマスタ筑後)では決勝の押し出し四球を選んで3年ぶりの2軍の優勝にも貢献。打撃開眼の理由に迫った。
 水谷瞬のバットが“旬”だ。その期間が長く継続できている。8月は6試合連続安打など38打数20安打で打率・526。9月も5試合連続安打を2回記録するなど77打数23安打で打率・299と軌道に乗っている。「今はどちらかといえばいい状態。これが普通と呼ばれるようにやっていきたい」と力を込める。

 ナイジェリア人の父を持つ1メートル93、99キロの大型外野手。プロ入りしてから1軍デビューはないが、筑後のファーム施設で研さんの日々を送ってきた。打撃開眼のきっかけは、7月下旬にノーステップ打法を取り入れたこと。ステップして振る動作がなくなり「ボールが見やすくなった。ブレが少なくなったのかなと感じます」と変化を口にする。チームのトレーナーと話し、体の使い方として足を上げるより、ノーステップの方が連動性がいいことも分かった。「確信を持てるようになった」と自分のものにしようとしている。

 今季は2度の3軍降格も経験した。「ずっと打てなさすぎて、ヒットを打つ感覚を忘れていて…」と打撃を見つめ直した。有意義な時間だったという。守備、走塁面は「うまい方じゃないですよ」と泥くさく取り組む。先月16日の中日戦(ナゴヤ)では左翼守備でフェンスにぶつかりながら、ジャンピングキャッチするファインプレーがSNS上で話題になった。「追いついているのに捕れなかったら、井出さん(2軍外野守備走塁コーチ)から結構厳しいこと言われるので」と守備練習から食らいついてきた成果は着実に実になりつつある。

 愛称はミドルネームのジェシー。「本当は小さい“ッ”が入るんですよね」と明かす。水谷ジェッシー瞬がフルネームだ。「ミドルネームと知らないで呼んでいる人もいたので」とチームメートからの認知度は低いと苦笑いする。さらに名前を売るためにも、1軍デビューが待ち遠しいところだ。「いい準備をして、1軍で打った方が心が豊かになる。インパクトを残せるようにやっていきたい」と力を込めた。 (杉浦 友樹)

 ◇水谷 瞬(みずたに・しゅん)2001年(平13)3月9日生まれ、愛知県出身の22歳。石見智翠館では高校通算21発も甲子園出場なし。18年ドラフト5位でソフトバンクに入団。昨年は2軍で13試合に出場し、打率・256、1本塁打、3打点。背番号59。1メートル93、99キロ。右投げ右打ち。

 ○…先月28日にソフトバンクに17年間在籍した巨人の松田が引退を発表した。水谷にとって1年目のオフから自主トレに連れて行ってくれた“師匠”だ。「やっぱり寂しいですし、もっと野球をやっている姿を見たかった。1軍で成長した姿を見せたかったのもあります」と心境を語った。松田からは発表後に「頑張れよみたいなことは言っていただきました」と明かす。「どうやったら自分から辞めると言って、辞められる選手になれるか。考えさせられる部分もあります」と話した。

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