広島・新井監督、来季続投 松田オーナーがマネジメント力やCS進出を高評価「よくやってくれた」

2023年10月03日 06:00

野球

広島・新井監督、来季続投 松田オーナーがマネジメント力やCS進出を高評価「よくやってくれた」
広島の新井監督(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 広島の松田元(はじめ)オーナー(72)が2日、新井貴浩監督(46)に来季も指揮を託す考えを明らかにした。人材をうまく活用するマネジメント力や、就任1年目でクライマックスシリーズ(CS)進出に導いた手腕を高く評価し、「よくやってくれた」と語った。同時に、CSを勝ち抜いて下克上を果たし、39年ぶりの日本一にも期待した。
 引き分け以上で2位が決まるはずだった阪神とのレギュラーシーズン最終戦に惜敗した一夜明け。松田オーナーは広島の新人監督で最多を更新する74勝(65敗4分け)を挙げ、5年ぶりのCS進出に導いた指揮官の手腕を高く評価した。

 「ベテランをしっかり復活させて、うまく使った。やる気というか精神的な部分でもよかった。休ませる時は徹底的に休ませて、無理をさせていない。よくやってくれた」

 リーグ3連覇からの過渡期で選手層が薄いと見る向きが多く、評論家諸氏による戦前の順位予想は軒並み最下位だった。新井監督は、しかし、豊富ではない現有戦力をフル活用し、機動力野球を復活させるなどして、そんな下馬評を覆した。

 相手の隙を突く走塁を徹底し、盗塁数は昨季の26個からリーグ2位の78個に。18年までの3連覇に貢献したベテラン・田中が昨季の41から111試合へと大幅に出場数を増やせば、中崎も登板数が増える中で防御率を6・46から2・73へと改善させた。

 指揮官が事あるごとに発する「私たちのチームは試合の中で力をつけ、強くなっていかないといけない。まだまだ強くなる」という言葉にも、若手育成の明確なビジョンが示されている。ただ、現状は伸び悩みが目立つ。松田オーナーは言う。

 「あれだけベテランが活躍すると、若手が出てくる隙がない。それでも出てくれないといけない。小園がレベルの違う選手になってくれればいいけど、18歳から25歳で核になる選手が出てこないといけない。秋山や菊池、手本はたくさんいる」

 新井監督は百も承知だ。守備固めや代走が主の曽根を、6月のソフトバンク戦で2試合連続スタメン起用するなど、新たな可能性を追求するため先入観を持たず、眠っている力を発掘しようと試みてきた。方針は2年目の来季も継続される。

 「一年一年が勝負だと思っている。その積み重ね。(続投を)言っていただいたら“はい”しかない」と指揮官。契約は1年ごとの更新ながら、球団は5年のスパンでチームづくりを考えており、続投は既定路線。ポストシーズン終了後にも正式に要請する。 (江尾 卓也)

 ○…新井監督の74勝は、広島の新人監督としては1986年阿南準郎監督、89年山本浩二監督の73勝を抜いて単独最多。

 <松田オーナー、下克上に期待!華やかな日本一パレード開催に意欲>5年ぶりのCS進出決定を受け、球団は“今度は自分たちがやる番だ”として、9月下旬から「下克上フェイスタオル」の販売を始めた。DeNAと同率2位で並んでおり、CS本拠地開催の可否は4日に巨人戦を残すDeNAの結果次第。松田オーナーは「日本一になってほしい。日本一になって華やかなパレードをしたい」と、正真正銘の下克上に期待を寄せた。

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