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MLBにも影響が大きい「政治献金」

2021年01月17日 05:30

野球

 大統領選挙の結果に不満のトランプ大統領支持者たちが連邦議会議事堂を襲った。議場ではジョー・バイデン氏勝利確認のため議員たちが投票数のカウント中。負けを認めぬトランプ大統領の扇動暴挙に全米が驚いた。1週間後、大リーグ機構(MLB)は「先週の連邦議会議事堂での出来事に対しMLBは政治献金を停止し、今後の在り方を検討」と発表。献金停止は各種大手企業、富豪の間にも広がった。
 MLBには政治献金を扱う部署がある。共和党(トランプ)、民主党(バイデン)一方に偏らず両党に渡す“二股献金”だが、16年の実績ではMLBの献金総額は66万9375ドル(約7000万円)で、35万875ドル(約3700万円)が共和党に、31万8500ドル(約3300万円)が民主党に渡った。MLBが負担を感じる金額ではないが、連邦議会の先生方は野球のために働いてくれたのか…。

 18年、MLBは連邦議会にマイナー選手の年俸アップを阻む法律制定のロビー活動をした。「連邦最低賃金法」の規定以下の年俸でプレーするマイナー選手たちの訴訟が増え始め、MLBは警戒した。連邦議会は年俸を支払う大リーグ球団側に立ち、「アメリカ・パスタイム(野球の別名)保護法」を制定、マイナー選手を「連邦最低賃金法」の適用外に置いた。大リーグ選手会は激怒したが、遅かった。

 ワシントン・ポスト紙によると「野球保護法」制定を進めたのは共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務。トランプ大統領の強力な支持者だが、投票数が確定すると「パーティー終了」の第一声で大統領を激怒させ、暴動扇動でトランプ弾劾賛成に転じた老獪(ろうかい)大物政治家。MLBの献金に応えてくれたのだろう。(野次馬)

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