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「野球界最大のスキャンダル」不正投球幕引きなるか?

2021年06月20日 05:30

野球

 投手を巡る状況が一変した。「野球は自滅の危機に直面」、「野球界最大のスキャンダル」と有力メディアが警告する「不正投球事件」だ。
 粘り気のある異物を指につけ、投球回転数を上げ、速球は加速、変化球は鋭く動かす不正投球。広がりはヤンキースのエース右腕コールが「何と答えればいいのか…」と記者の質問に絶句した翌日から多くの先発投手の投球回転数がそれぞれの今季平均回転数から落ちたことで分かる。不正投球の増加は「ステロイドによる打者上位時代の反動」と球界OBは指摘する。「薬物本塁打」の被害者の投手たちは映像分析と細かいデータの集積で投球回転数の増加が球威を増すことを知った。

 ヤ軍のブライアン・キャッシュマンGMは「投手力が野球の命だ」とし「どのチームも新部門の立ち上げ競争になった。我々はキャンプ地のタンパに研究施設をつくった。野球規則では相手の不正投球には監督が球審に調べるようアピールとあるが、そんなことをするチームはない。自分のところでもやっているのだから」と続けた。あけすけな話だが新強力異物「スパイダータック」は初耳という。日焼け止めクリームにロジンを混ぜるのが普通なのだとか。

 大リーグ機構(MLB)は数年間、不正投球の証拠集めをしてきたが、今回は「野球規則に定める罰則規定を厳格に適用する」にとどめた。「10試合出場停止」に補足で「この間は有給とするが、ベンチ登録から外し、交代選手の登録は認めない。1人少ないベンチメンバーで試合」がチームへの罰だ。

 三振数が安打数を大きく上回り、不正投球増加に比例し、今季2カ月間の危険な死球は過去100年で最多。ステロイド時代以降の10年、MLBの放置が生んだ不正投球の剛球時代。終了シーズンにできるだろうか。(野次馬)

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