球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―
「何だって起こる」ポストシーズン 長期の今季は何が…?
2022年10月16日 05:30
野球
「野球には何だって起こる」という。そのことは身をもって経験した。86年ワールドシリーズはレッドソックス対メッツ。メッツ監督は元巨人のデーブ・ジョンソン。レ軍が3勝2敗と王手をかけ、迎えた第6戦、レ軍が延長10回に2点を勝ち越した。その裏2死走者なし、68年ぶりの世界一のトロフィーまで、あと1人だ。ロッカーの壁にビニールが張られ、テーブルにはシャンパンが林立されていた。
だが、レ軍の夢と担当記者のメロドラマはここまで。そこから3連打を許し暴投、そして球史に残るビル・バックナー一塁手のトンネル。メ軍の逆転サヨナラだ。記者席に駆け戻るレ軍担当記者たち。一人残って壁のビニールが剥がされシャンパンの林が消え、祝宴の席を殺風景なロッカーに戻す速さを感心して眺めていた。今回の長期ポストシーズン、どんな挿話を生むだろうか。(野次馬)