球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―
乱闘処分での「分割執行」ファンサービス 大リーグはビジネスだ
2022年07月03日 05:30
野球
実は、それを回避する“仕掛け”がある。知ったのは87年にオーナーたちの「FAとの契約拒否談合」で締め出されヤクルトに入団したボブ・ホーナーのおかげだ。ヤクルトで1年の大活躍で大リーグにカムバックしたが故障者リスト入り、記者席で試合を見ていると乱闘が起こり、ホーナーはユニホームに着替えて参加し、出場停止のニュースが米軍新聞「星条旗紙」に載った。「興味があるだろう」とよく後楽園に来るスポーツ記者が見せてくれ「一度に多くの退場者が出た場合の出場停止処分は、分割執行で戦力ダウンを薄める営業上の方法を取る」というのだ。
今回の処分通達文はこんな具合。「エ軍三塁手アンソニー・レンドンには故障者リスト入り(右手首手術で今季絶望)でベンチ内にとどまるべきなのに、乱闘に関わった行為に対し5試合出場停止を科す。出場停止は故障者リストからの復帰後に執行(23年になるだろう)、加えて直近7試合ベンチ入りを禁止する」。厳しい処分にも忘れぬファンサービス。大リーグはビジネスだ。(野次馬)