球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―
大切なのは“勝利への意志” Wソックス・ラルーサ監督の説得力
2022年06月19日 02:30
野球
今季の新エピソードは今月10日のドジャース戦。2ストライクから敬遠をし、逆転負けを喫した。2日後のレンジャーズ戦でもファンやメディアの非難に逆らうように2ストライク後の敬遠をし、逆転負け。本拠地球場のギャランティードレート・フィールドは「トニーを解任しろ!」とファンの怒りの声で満ちた。それでも「彼は平然としていた」とスポーツ専門局ESPN。
「私は非難の声を片方の耳で聞き、ファンの様子を片方の目で見た。私が了解し、感謝するのはファンがそれほど勝利を望んでいることだ。しかし我々は勝てなかった。ファンは不満だろう」。感情を交えないハードボイルドな物言い。個人的にはユーモアと受け取り楽しむが、野球記者は困るはず。「説明責任から逃げる気はないが、今は話さない」
監督コメントの広報談話化は時代の要請だが「野球で大切なのは、今も昔も、勝とうとする意志だ。これは数値化できるものではない」という言葉に、時を超えた重鎮監督の説得力を感じる。(野次馬)