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MLB ロックアウトで続くイメージ低下

2021年12月19日 05:30

野球

 オーナー側がロックアウト(職場封鎖)をかけてから3週間が目前。球団側を代表するコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、「選手会と新労使協定を結ぶために行うものだが、業務停止で球界全体のマイナス」との認識を示していた。その裏には“劇薬”のロックアウトで労使交渉の活発化を図る思いがあったはず。ところが選手会は反発した。交渉は止まり、ようやく17日、労使は動いた。ただし、核心の「金銭と権利」問題にはノータッチ。禁止薬物、家庭内暴力など枝葉だけの話し合いだ。
 進まぬ交渉にいらだつメディアは「なぜ球団側はロックアウトを選んだのか?」と自問し「選手会がストを打つ前に先手を打ちたかったのだろう」と自答した。もちろん球団側への皮肉だ。
 現場の動きが止まり、当然ニュースは少なくなり、代わって目立つのは少ない情報を交えた読み物だ。例えば「選手よ、今こそロックアウト中の自分がどうなっているかファンに向けて発信すべき」(スポーツ・イラストレーテッド誌)。選手の平均年俸が高額なのは少数の超高額選手のおかげでそう見えるだけ。「オフは配管工で働く選手、妻が重労働の港湾労働に携わる者もいる」と紹介するが野球記者の苦しいピッチング、読者は苦笑いするだけだろう。

 バカバカしいのが大リーグ公式サイトを巡る小競り合い。同サイトは労使共同のPRの場と思っていたが、球団所有のものだった。大リーガーは締め出しだ。選手の顔写真を黒塗りにすると、選手たちが自分のツイッターの顔写真を黒塗りにして反撃…ため息が出る。

 本格的交渉開始は2月の予想がメディアの大勢、球界イメージダウンの動きが当分続くのだ。(野次馬)

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