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“くせ者”レイズの快進撃支える個性派打撃コーチ

2021年10月10日 05:30

野球

 レイズはくせ者チームだ。ア・リーグ地区シリーズの初戦、レッドソックスをランディ・アロザレーナ(26)の本塁打とホームスチールで破って本領を発揮した。昨季ア・リーグ優勝チームだが、年俸ランクは26位。しかし、チームは、大胆な守備シフト、細かい投手継投のオープナーなど先進的な戦法を編み出し“強豪”となった。
 ニューヨーク・タイムズ紙は、今季得点が30球団2位で三振がア・リーグ最多の奇妙な打線を生んだ、ユニークな打撃コーチに注目した。チャド・モットーラ(50)、16年の選手生活はマイナー暮らし、大リーグでは25安打しただけだ。コーチとしてのモットーは「選手に自分の打撃の全てを話してもらう。教えるのはそれからだ」。選手の話を聞かず、あれこれ教えるコーチに悩んだ体験からだ。三振は誰でもする、大切なのは自分のスイングでボールを打つこと。「スイングの角度、打球の速度、回転数など気にするな。選手はもちろんGMもこのコーチングを受け入れてくれた」

 市場の規模の小さいセントピーターズバーグ市が本拠地のレイズの収入は限られる。有名アマ選手は獲得できない。それに彼らの頭の中はコンピューター野球の数字でいっぱいだ。そんな風潮に無縁の「素朴な選手を教えるのが楽しい」。教えて5年、17年は25位の得点ランクは今季2位に。ケビン・キャッシュ監督も158種の先発ラインアップをつくって多様性に応じた。

 とんでもないトレード、首をかしげる選手の使い方。NHK中継でアナウンサーや解説者が「これでは選手は怒りますよ」と心配していることがあるけれど、選手は「またGMと監督がおかしなことをやっているよ」と笑っているそうだ。快進撃チームの内幕がいいね。(野次馬)

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