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メッツ監督就任ショーウォルター氏の「最初の失敗」

2021年12月26日 05:30

野球

メッツ監督就任ショーウォルター氏の「最初の失敗」
バック・ショーウォルター氏(AP) Photo By AP
 ロックアウトで凍りつき、話題なしの球界に異色の名将が帰ってきた。メッツが迎えたバック・ショーウォルター監督(65)。メディアは歓迎ムードでいっぱいだ。
 「短期間でポストシーズン進出チームをつくる監督」と評価は高いが、勝率がいいわけではない。4球団で指揮を執り、3球団でリーグ最優秀監督に選出された。ただ、最高成績は地区優勝止まりでペナントには無縁。玄人好みの監督だ。あるメディアが選手に匿名条件で「嫌いな監督」のアンケートをしたことがある。トップ選出、野球学校の口うるさい先生スタイルだから「監督として優れているが俺のタイプじゃない」と敬遠された。

 人柄は監督就任のリモート会見でも発揮された。会見というより、独演会で1時間。「来年のキャンプは大変だ。ロックアウト後の混乱で短縮、選手はキャンプインに必要な準備ができない。ヤンキースで監督だった95年の選手ストライキ後の5月開幕で経験した混乱だ。選手と話すべきだが、ロックアウトでそれも禁止。故障選手が多くなるぞ」。投資家で大リーグ一の富豪オーナー、スティーブ・コーエン氏は、剛腕シャーザーを加えるなど、このオフ300億円近い投資で、ワールドシリーズ制覇を狙う。

 ここで監督はFA選手2人の名を挙げ「メッツに最適」と言った。ロックアウト中の監督は球団サイドで、“ロックアウト破り”の格好。「監督就任、最初の失敗だ」。率直な物言いはファンとメディアを引きつける。ヤ軍マイナー外野手からスタート、メジャーには上がれずマイナーの指導者を経てヤ軍監督に上り詰め、4球団を立て直した。ペナントなき名将の復活、乱世の球界にふさわしい。(野次馬)

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