球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―
不正投球を助長する新異物「スパイダータック」
2021年06月13日 05:30
野球
そんな視線が集まる投手の一人がヤンキースのエース、ゲリット・コールだ。「スパイダータックを使っているのか」との記者たちの質問にコールは答えるまでに15秒かかった。「どう答えていいか分からない。それが今の正直な気持ちだ」。うそはつきたくない、しかし、言えないというのが分かるコメントだ。ここに来て問題が表沙汰になったのは、打者たちがひそかにささやいていた“怪しい”投手の名を挙げ始めたからだ。
実はMLBは3月のキャンプで今季の不正投球の摘発強化を審判員に指示し、全球団に「警告」した。怪しい投球のボールは球審が保管し、怪しい異物が付いた帽子、手袋などが先週のオーナー会議で示され、罰則強化が承認され近く発表、今月末から施行という。
ところで、「スパイダータック」は何のために開発されたのか。人気競技の力比べ、数百キロの大石を持ち運ぶ競技の滑り止めだ。車いす競技で車輪を回すにも欠かせない。野球での使用はとんだスピンオフなのだ。(野次馬)