球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―
ボンズとクレメンスを捜査した男の思い
2022年01月09日 05:30
野球
原文に従い、敬称抜きで進めるが、鬼の捜査官は心変わりしたのではない。なるほど、同氏は「打」のバリー・ボンズ(762本塁打、MVP7回)、「投」のロジャー・クレメンス(サイ・ヤング賞7回)を裁きの場に引き出した。しかし、「ボンズの11年の大陪審での司法妨害は15年に覆され、クレメンスの08年の連邦議会でのさまざまな証言疑惑も12年に全て無罪とされた」。無罪の人間の排除はおかしい、と割り切るのだ。その上で「私たちの多くは当時の驚異的な打球と投球を見て目がくらんでいた。2人が裁きの場に座ったとき、2人が真空の中でプレーしていたのではなく、球界の熱気の中にいたことに気付かされ、球界はもちろん、メディアもファンも集団的な失敗を犯したような気分になったのでは…」。
センセーショナルな見出しの中身は濃く、地味なトーン。この記事が出た翌日の大みそかが記者投票の締め切り日。ニューヨーク・タイムズ紙はニュースに影響を与えないようタイミングを計ったのだ。2人は今回が10度目の審判。これを逃すと殿堂入り候補者リストから外れる。いよいよ決着のとき。(野次馬)