球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―
ドジャースを大きく見せる“伝統的スカウトスタイル”
2022年07月17日 05:30
野球
当初はバレンズエラが地元ファンに受け入れられるか心配していた。57年にニューヨークから移転する際、新球場建設のためにメキシコ移民が多数住む土地を強引に地上げしていた。土地を追われたメキシコ移民が反発し…。なんて心配は無用、「フェルナンド・マニア」の誕生だ。後の「野茂マニア」の元祖だが、野茂マニア誕生当時のブリトー・スカウトはテレビの人気者に。ネット裏でパナマ帽をかぶり葉巻をくわえ、レーダーガンを構える姿が中継に映った。スカウト業がなくなっての異動だった。
感心するのは当時のオマリー一族から、オーナーは4代も変わったのに良き伝統が守られていること。ほんの少し経営上の余裕を示して生まれる人間くさい伝説。それが球団を大きく見せている。(野次馬)