ケンドーコバヤシ 乏しい表情を補って余りある力 歴戦30年 語った“みなぎる自信”の正体

2024年01月21日 05:00

芸能

ケンドーコバヤシ 乏しい表情を補って余りある力 歴戦30年 語った“みなぎる自信”の正体
クールな表情を決めるケンドーコバヤシ(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 【俺の顔】1993年に吉本総合芸能学院(NSC)大阪校を卒業し、昨年芸人になって30年の節目を迎えたケンドーコバヤシ(51)。トークを中心とする独自路線を突き進み、今やバラエティー番組やイベントでなくてはならない存在だ。入れ替わり激しいお笑い界で、いかにサバイブしてきたのかを語った。(小田切 葉月)
 とあるホテルの一室に入ると、掛け布団を抱きかかえて横になるケンコバがいた。「どうも、よろしくお願いします」というかすれ声のあいさつがあり、そのままのインタビュー開始。「こうやって寝ながら取材を受ける胆力、凄いでしょ」と、いたずらに成功した子供のように話す。憎めない雰囲気で、その場を和ませた。

 「顔の筋肉がカチカチなのか、表情がとんでもなく乏しいんですよね。これ、お笑いをやる上でめちゃくちゃ不利だと思ってます」。眉間に刻まれたしわに、鋭いまなざし。口は真一文字に結ばれている。「ネタをしても表情が弱すぎるので、何をしても面白さが見ている人に伝わらない。だからウケない」と苦笑いを浮かべた。

 だが、枷(かせ)になっているとは考えたことがない。「お笑いは総合力ですから。リアクションは薄いかもしれませんが、それを補って余りある力がある。俺より総合得点高い芸人なんて、5人といないでしょ」と冗談めかす。話術に大喜利力と、さまざまな手札やスキルを磨いて勝負する世界。30年歩んできた歴戦の芸人には、自信がみなぎっていた。

 1992年、11期生としてNSC大阪校に入学。同期には陣内智則(49)や「中川家」、ハリウッドザコシショウ(49)らがおり、現在も第一線で活躍する芸人が多い黄金世代。ケンコバはユウキロック(51)と養成所在籍中に「松口VS小林」を結成。1995年に解散し、同年に村越周司(51)と「モストデンジャラスコンビ」として活動。ツッコミにプロレス技を取り入れたり、最前列の観客にビニール袋をかぶせるなど型破りな芸風だった。

 「モスト…」を解散した00年からはピン芸人に転身。小さい時から笑ってもらうことが好きで、1人でもお笑いを続ける道を選んだが、その時28歳。「千原兄弟」や「バッファロー吾郎」らが実力を評価し、関西で活躍していたが、全国的に人気の同期も目立つ。「もう後戻りできる年齢ではない。やるしかない」と、より飛躍する決意をした。

 心の支えは、落語家の月亭八方(75)の「この世界で売れるには本人に実力があって、そこからさらに運を拾うしかない」という言葉。武器として選んだのは、マニアックな題材のトークだった。漫画やラグビー、バイクにプロレスといった話題を得意とし、特に本領を発揮するのはエロ。例えばテレビ朝日「アメトーーーク」では「セクシー女優ドラフト会議」「エロ漫画サミット」「~風俗のちょっとイイ話~フウゾーーク」などに出演。パンチの利いたエピソードで驚かせたり、見る人の頬を緩ませてきた。

 「30年、よく生き残れたと思います。芸風が変わらないことが美徳とされますが、僕はふにゃふにゃ。そんなところが良かったんですかね」。自身の表情筋は硬くとも、トークで人の“表情筋ストレッチ”をしてきたケンコバ。芸人31年目に入っても、変わらず人の顔を、そして心をほぐしていく。

 ≪「ほろ酔いビジホ泊」見てね≫出演中のBS朝日「ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版」(木曜後10・30)が話題だ。ビジネスホテルマニアのケンコバが、ホテルの紹介や周辺の街歩きを通じ、宿泊満喫プランを届ける番組。「こんなおっさんが風呂入ってぶらぶらしながら酒を飲むだけの番組。なんで褒めてもらえるのか理由を知りたいけど、何か過ごし方の参考になれば」と話した。次回25日の放送回では、福岡市の「福岡フローラルイン西中洲」を訪れる。

 ◇ケンドーコバヤシ 1972年(昭47)7月4日生まれ、大阪府出身の51歳。高校時代はラグビー部に所属し、主将を務めた。趣味はプロレス観戦で、芸名はプロレスラー「ケンドー・ナガサキ」から。1メートル72。血液型O。

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