【王将戦】菅井八段 「一意専心」三間飛車 対藤井8戦連続 前回との違いは「美濃囲い」

2024年01月21日 05:25

芸能

【王将戦】菅井八段 「一意専心」三間飛車 対藤井8戦連続 前回との違いは「美濃囲い」
ゼリー飲料を飲む菅井八段(撮影・光山 貴大、西尾 大助、大城 有生希、藤山 由理) Photo By スポニチ
 【第73期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局第1日 ( 2024年1月20日    佐賀県上峰町・大幸園 )】 挑戦者・菅井竜也八段(31)は、またも三間飛車を志向した。昨年の叡王戦5番勝負を含め、藤井相手のタイトル戦は全て同じ戦型。前日19日の揮毫(きごう)でしたためた「一意専心」を地で行く進行だった。
 飛車を振らせたら右に出る者はない、第一人者としての意地なのか。なんらかの確信を背景とした必然策なのか。菅井の8手目は3二飛(第2図)。エース戦法と呼ぶべき三間飛車が、またもや盤上に再現された。

 昨年4月11日の叡王戦第1局以降、先後を問わず、8戦連続での採用を本人は「想定していた形の一つになりました」と話した。開幕局同様、穴熊に組んだ藤井に対し、今度は手数を節約して美濃囲いをチョイス。3筋に振った飛車は34手目に四段目へと進出させ、40手目には左桂が3三に跳んで石田流に構えた。これも菅井の十八番。「実戦例は結構あると思います」。着々と陣形を整備していく。

 三間飛車以外でも、中飛車や四間飛車などを自由自在に操る菅井。その選択の基準については「相手の出方を見ながら、自分がその時一番いい場所に振ります」と明かしている。柔軟な対応能力がトップの位置を維持する原動力。従来の振り飛車は相手の攻撃に備える「受け」の要素が強かったが、菅井はこの常識を覆し、相手の上部から押さえ込む概念を持ち込んだ。

 「今までの振り飛車と違うのは序盤より中盤の指し方。うまく上からつぶす展開にしたいので」

 人呼んで「やんちゃ流」。この日も駒組みを進めながら、穴に潜った敵の王様を虎視眈々(たんたん)と狙う。昼食休憩を終えた午後は互いに大長考を重ね、自王の左コビンに攻撃を受ける段階で指し掛けとなった。

 体力と気力を激しく消耗する腹の探り合いを経て防御にいそしむ菅井の表情はやや厳しい。だが戦闘意欲が枯渇したわけではない。今7番勝負の開幕前には、絶対王者との対戦を「プロでやっていく中で、人生の楽しみです」とストレートに表現した。チャンピオン相手に苦戦するのは当たり前。そこを切り抜けるかどうかが問われる立場にいる。

 猛攻を切り抜ければ反撃の機会が巡ってくる。挑戦者は眼光の鋭さを保ったまま対局場を後にした。

 ≪爆速休憩から一転、菅井うな丼堪能≫菅井は昼食に「国産うなぎの蒲(かば)焼き丼」をオーダー。第1局では両日ともに昼食を約10分で完食して対局場に戻る“爆速”昼食休憩が話題となったがこの日はゆっくり時間を使い、午後に備えていた。午前のおやつにはアイスコーヒーと県内産の温州みかんを用いた佐賀みかんジュース。午後のおやつでは「濃厚ミルクプリン」とホットコーヒーを注文した。
 

この記事のフォト

おすすめテーマ

2024年01月21日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム