【王将戦】藤井王将 “史上最長”長考160分 午前42手から一転、午後わずか9手 静かなヤマ場

2024年01月21日 05:25

芸能

【王将戦】藤井王将 “史上最長”長考160分 午前42手から一転、午後わずか9手 静かなヤマ場
昼休憩のため対局場を出る藤井王将(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【第73期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局第1日 ( 2024年1月20日    佐賀県上峰町・大幸園 )】 藤井聡太王将(21)=8冠=が菅井竜也八段(31)に先勝した第73期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は20日、佐賀県上峰町「大幸園」で第2局が始まった。午後6時2分、藤井が51手目を封じて1日目が終了した。戦型は後手菅井の石田流三間飛車。藤井が昼食休憩前後に1時間40分、休憩を合わせて実質2時間40分の自己最長級の長考で開戦した。2日目も同所で指し継がれる。
 まるで静止画を見るようだった。昼食休憩を挟んで1時間超の長考が3手続いた。休憩前の3時間半で42手進んだが休憩後、封じ手までの4時間半で9手しか進まなかった。

 「陣形整備がある程度終わり、ここからどう戦っていくかです」

 休憩中の取材に藤井が語った。勝てば連勝発進となり、シリーズの流れを引き寄せられる第2局。慎重に方針を定めるために費やした長考だったのだろう。穴熊をさらに銀冠穴熊まで発展させる選択肢もあったが、8冠の判断は違った。

 陶板ハンバーグを味わった休憩明け。計1時間40分考慮して▲7五歩(第1図)を決断した。菅井のダイヤモンド美濃を上回る穴熊の堅陣を頼りに、踏み込んだ。

 1時間の休憩中もその後の展開を考えれば、実質2時間40分。藤井には一昨年、第71期7番勝負第2局で2時間28分の自己最長考慮があるが、休憩中を含めばそれ以上考えたことになる。

 19日の対局場検分。後手で先勝した第1局を振り返り「中盤の難しい将棋で見通しを立てて進めることができなかった」と考慮時間の配分を反省した。70手目時点で残り44分の自身に対し、菅井は2時間3分あったためだ。同時に「先手番なので一手一手考えて積極的に指せれば」。その▲7五歩。角の頭上にある歩は通常突きにくいが、有言実行の開戦となった。

 上峰対局は今回5局目。過去4局は勝率上、若干有利な先手が敗れてきた。加えて藤井にとって不穏な空気が漂ったのが対局開始前。白い羽織の留め具が壊れていた。

 対局室に到着後、スーツから和服へ着替えて気づき、関係者に伝えた。休憩時、数珠状になっている留め具の内部を走る、ひもの破損を修理。午後の対局からは羽織を着用できた。「直してもらえて助かりました」。盤外の不安を消し去り、笑顔を見せた。
 「▲7五歩から全面対決に入りました。菅井八段も強気に応対しています。藤井王将がどう歩得を生かすか、明日は激しくなります」。副立会の糸谷哲郎八段(35)が解説した。封じ手開封から、1日目とは一変の戦闘再開となる。

≪封じ手は?≫

 ▼立会人小林健二九段 ▲4六角。6四にいる角は後々、追われることになるため先に引いて、5七桂成に対応。

 ▼副立会人糸谷哲郎八段 ▲4六角。落ち着いた受けの手。2日目は激しい攻め合いを予想。

 ▼森本才跳四段 ▲4六角。角を引いて、ゆっくりすれば歩得が大きいのでは。

 ≪午後のおやつに“いちごさん”≫藤井は午前のおやつに「“いちごさん”のムース」とアイスコーヒーを注文した。“いちごさん”のムースは昨年、同所で行われた王将戦第6局1日目の午前のおやつで食べており、同じシチュエーションで2年連続のオーダー。22年の祝賀会で訪れた際にも食べており“3年連続”とお気に入りの様子だ。甘さとみずみずしい果汁が特長の佐賀県のブランドいちご「いちごさん」をふんだんに使用し、「王将」の駒に見立てたクッキーも添えられた。ムースは砂糖控えめで、いちごの甘みを味わえるように工夫されている。

 ≪18年考案チーズケーキも≫藤井は昼食に、大幸園提供の「陶板ハンバーグ」を食べた。牛肉と豚肉の合いびきでハンバーグに加えジャポネソースにも佐賀県白石町のタマネギが使用された。午後のおやつには「ベイクドチーズケーキ」とアイスレモンティーをオーダー。ベイクドチーズケーキは、同所で初めて王将戦が開催された2018年の第67期王将戦に合わせて考案された一品。

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