「光る君へ」瀧内公美、源明子は「執念深い」 大事にした「負け犬感」 夫役・柄本佑を信頼

2024年06月02日 20:45

芸能

「光る君へ」瀧内公美、源明子は「執念深い」 大事にした「負け犬感」 夫役・柄本佑を信頼
大河ドラマ「光る君へ」で源明子を演じている瀧内公美(C)NHK Photo By 提供写真
 女優の瀧内公美(34)がNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)で存在感を放っている。藤原道長(柄本佑)のもう1人の妻・源明子役。険しい表情で藤原兼家(段田安則)を呪詛するシーンは大きな話題になった。「源氏物語」に登場する六条御息所をイメージした女性を、情念たっぷりに演じている。そんな瀧内がスポーツニッポンの取材に応じ、今作への思いを語った。
 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高由里子は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 明子は父・源高明が、藤原氏による政変「安和の変」で失脚した。兼家に恨みを抱き、第14話「星落ちてなお」(4月7日)で呪詛した。迫力ある呪詛のシーンは、多くの視聴者を戦慄させた。瀧内は「復讐したい一心だった」と明子の思いを代弁した。「イメージや先入観は捨てようと思った。自分たちで見つけた明子なりの呪詛を提示しようと思ってやらせていただきました」。何度もリハーサルを重ね、明子の燃え上がる憎しみを表現した。

 道長には明子の他に、嫡妻の源倫子(黒木華)、愛し合っているまひろ(吉高)がいる。その中で、「明子は執念深い。他の女性に対して負けられないという思いが軸として大事だと思っています。そして負け犬感が大事だなと思いました」。道長に女がいることを確信しても不敵な笑みを浮かべる倫子とは対照的なキャラクターだ。

 敵(かたき)である兼家亡き後は、“教育ママ”として自身の子供を高い位に就かせることに固執していく。「年を重ねても軸は変わらない。でも、どんどん貫禄を出していかなければいかない。層が厚くなって、幹が大きくなっていったらと思いながらやっています」と語った。

 道長役の柄本とは、2019年の映画「火口のふたり」で共演。「佑さんは何にも言わずに一緒にいられる人。佇まいがすごく素敵だといつも思います。何の説明もなく、体1つで成立する。彼が演じると非常に余白を感じます」と、信頼関係をにじませた。

 そんな柄本とのシーンで話題となったのが、道長に惚れたことを告白する場面。明子は道長を押し倒しながら「殿にもいつか、明子なしには生きられぬと言わせてみせます」と誓った。瀧内はこのシーンについて「何で殿に“も”何だろうと思った」とこぼした。殿にではなく殿にも――。たった1字の違いが心に留まった。

 瀧内は取材中、記者の質問に対して真摯に丁寧に言葉を紡いだ。1つの質問にしばらく考え込んだかと思えば、「感情は目に見えない。皆さんも今、話を引き出してくださろうと丁寧に相槌を打ってくださっていますけれど、”このあと何食べようかなぁ“なんて思っているかも。人の心は計り知れないですよね」といたずらっぽく笑う。その姿に明子同様、底知れぬ奥深さを感じた。「大石先生の脚本は、言葉にすごく奥行きがある。想像の自由が無限にあるので言葉の裏にあるものを探しながら演じた方がいいのかなと思っている」。瀧内の深みある演技が、魅力あるキャラクターを生んでいる。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2024年06月02日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム