誠也はメジャーの平均的な打者なのか、それとも「次の偉大なカブス」を背負って立つ打者なのか?

2023年07月21日 13:31

野球

誠也はメジャーの平均的な打者なのか、それとも「次の偉大なカブス」を背負って立つ打者なのか?
カブス・鈴木誠也(AP) Photo By AP
 鈴木誠也はメジャーの平均的な打者なのか、それとも「次の偉大なカブス球団」を背負って立つ打者なのか。20日(日本時間21日)、スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のパトリック・ムーニー記者が考察している。
 鈴木は今季ハードヒット率は49・5%で1年前の41・3%より著しく向上、打球速度も92・2マイルで、22年の89・6マイルより上昇し、打球の最高速度も114・6マイルをマーク、去年の111・3マイルを上回った。ボール球に手を出してしまう確率も18・7%で、前年の21・3%より良くなっている。にもかかわらず、今季の打率・263、8本塁打、長打率・407は打線の中核を打つ打者としては物足りない。チームも45勝50敗だ。

 ムーニー記者が指摘するのは鈴木がカブスに来て2年目の半ばだというのに、まだ試合への準備の仕方でコーチと本人の考え方が一致していないということ。鈴木は完ぺき主義者で、試合が終わった後もケージでバットを振る。追加の反復練習でそれは日本の野球文化でもある。デビッド・ロス監督は「選手に練習をやめろとは言わない。彼が明日につながる何かを見つけたといえば、それに対してやるなとは言えない。でも何をやるのか?練習は効率的にやることが大事だ」と言う。

 ダスティン・ケリー打撃コーチは「我々はバットスピード、スイングの軌道、コンタクトのポイントなど全てのデータを見ている。鈴木のスイングは、うちの選手の中では一番良いものを持っている」と証言する。打撃コーチの目には、それ以上やる必要はないということだ。これに対し、鈴木は「自分の思うようなプレーができていない。安定していない。上手くいくためのあと一つを見つけ出そうとしている」と説明する。ロス監督は「例えば誠也は球場に来ると、その日対戦する投手に応じて練習内容をアジャストする。4シームの投手が相手ならティーを高くして打つ。シンカー投手が相手なら、ケージでもインサイドアウトのスイングで右中間方向を意識する。でもそうではなくて、一番自分に合ったルーティンを毎日続けるという考え方もある。チームメートのダンスビー・スワンソンやイアン・ハップがそうだ。彼らはその日誰と対戦しようが、毎日同じ準備をする。それで安定した結果も残している。最近の誠也は彼らのやり方に近づけているようだ」と話す。

 7月4日以降、鈴木の打率は・354だ。何かを見つけたのかもしれない。ケリー打撃コーチは考え過ぎている面があったと指摘する。「97マイルから100マイルを投げる投手と対戦するとき、大事なのは遅れないよう、それだけに集中すること。メカニックとかを考えていてはいけない。打席に立てばそこは戦場だし1対1の勝負、どちらが勝つかなんだ」。相手投手について用意する時も、厳密にやりすぎる。「相手投手の話をした時、普通なら打者はイメージするだけ。シンカー投手なら、もうちょっとすくい上げてみようかなとか、反対方向を狙ってみようかなとか。4シーム投手なら上から叩こうとか。でも誠也はそういう話になった時も厳密に考える。相手投手がそう攻めてくるなら、こっちもこうと細かく考えようとする。でもそういうやり方は難しい。実際の試合では全く同じようには行かないからね」。だからこう言うそうだ。「君はスイングは良いんだから」。

 カブスは20日(日本時間21日)カージナルスに2-7と完敗。45勝51敗と借金を増やした。鈴木は二塁打を一本打ったが、それは内野フライで、野手が打球を見失ったために、間に落ちた。7回は二死満塁のチャンスがあったが、左直に倒れている。5打数1安打で打率は・262になった。ムーニー記者は最も才能ある選手たちがベストの選手たちになっていかないと「次の偉大なカブス球団」は築けないと記す。今、鈴木は結果を求められている。

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