阪神・坂本が口にした2人の「しんたろう」への思い 覚悟新たに、後半戦へ

2023年07月21日 15:29

野球

阪神・坂本が口にした2人の「しんたろう」への思い 覚悟新たに、後半戦へ
阪神・坂本 Photo By スポニチ
 突如決まった“栄転”を、心の底から喜んでいた。阪神・坂本はかつての同僚・藤浪のオリオールズ移籍に「求められていくことはすごくいいこと。うれしいというか、かっこいいな…と思って」と口にした。
 チーム屈指の“メジャー通”。阪神で悩み、もがく姿を捕手として間近で見てきた豪腕が渡米した後も、投球は欠かさずチェックし、時折連絡を交わしていた。「最初はなかなか打たれたりして、いろんな人に言われていたけど、連絡を取っていても全然そんな(下を向くことなく)、すごく前を向いてやっていた」。開幕当初は先発で苦戦続きも、配置転換された中継ぎで結果を残し続け、ア・リーグ西地区最下位のアスレチックスから同リーグ東地区首位チームのオリオールズへ。心折れずに戦い続けていることを知っているからこそ、優勝を争うチームに請われる形で決まった右腕の電撃トレードを、幾度も「かっこいい」という言葉を繰り返しながらかみしめていた。

 「見ず知らずの人ばかりの中に飛び込んでいって、最初“藤浪どうなんや、全然アカンやん”って言われて。それを覆すだけの能力も持っているし、技術もあるからこういう風に評価が変わってきていると思う。多分春先は誰もこんなこと想像できなかっただろうし、でもあいつがそうやって前向いて頑張っているのは知っていたんで…。ヤンキースやレッドソックス、レイズと結構厳しい地区で、優勝争いをするところで野球をするって、本当にかっこいいなと思いますね」

 取材での話題は、藤浪から後半戦を戦うチームへ。坂本は自ら「みんな、元気でやっているし。ちょっとね、悲しかったりつらいこともありますけど」と切り出した。14年から19年まで同僚だった横田慎太郎さんが、18日に死去。2学年下の後輩の早すぎる旅立ちに、言葉を絞り出した。

 「亡くならないと気づけないのは…。失ってからみんな気付く。失う前に気付いたり、(そもそも)失わなければいいんですけど。でも、絶対に失うものはあるし、そういうのが人生なので…」

 時はいかなるときも平等に流れ、明日22日からは後半戦が始まる。「タイガースの選手、仲間とこういう時間を共有して、一緒に野球ができているのって本当に幸せなことだと思うので、大事にしたい。今できること、やることをやるしかない。いい報告がファンの人にも、ヨコにもできたらいいなと思いますね」。悲しみを堪え、何気ない日常への思いを強くし、チームは“横田の分まで”を合言葉に一丸を誓っている。(阪井 日向)

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