【球宴】ソフトB・中村晃 “仁義なき粘り”7球連続ファウルのち中前打 後半戦逆襲へ勢い

2023年07月21日 06:00

野球

【球宴】ソフトB・中村晃 “仁義なき粘り”7球連続ファウルのち中前打 後半戦逆襲へ勢い
<全セ・全パ>ファンの声援に応える中村晃(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【マイナビオールスターゲーム2023第2戦   全パ6―1全セ ( 2023年7月20日    マツダ )】 「マイナビオールスターゲーム2023」は20日、マツダスタジアムで第2戦が行われ、全パが6―1で連勝した。ソフトバンクの野手では第1戦で唯一、無安打だった中村晃外野手(33)は初回1死で7球連続ファウルで粘り、中前打を放つなど、球宴の舞台でも持ち味を発揮。2試合で柳田、近藤、栗原と出場野手4人が快音を響かせ、27年ぶりの9連敗中のまま迎える22日のロッテ戦(ZOZOマリン)からの後半戦へ、弾みをつけた。
 バウアーの“球種宣言”や九里と杉本の“乱闘騒ぎ”など球界の、お祭りが随所にちりばめられた試合。ただ、中村晃だけは、そんなムードを感じさせなかった。これこそ、打撃職人の気概だ。熱気むんむんのマツダスタジアムに集まった3万925人にプロの勝負とは何かを見せた。

 「楽しくできました。そう思えたので良かった。それだけです」

 いつも通り冷静な回顧だが打席では違う。選手間投票で2度目の出場。「2番・一塁」でスタメン出場すると初回1死の1打席目に持ち味を集約させた。地元球団の九里と対峙(たいじ)し、1ボールから7球連続でファウル。そして9球目のツーシームを中前へとはじき返した。野球少年少女にとって教科書となりうる打撃だ。

 試合前、プロ16年目、33歳のベテランの胸が躍った。この日、ホームラン競争に出る柳田に、ベンチで声をかけられた。「ちょっと、球質を見ておきたいから投げて」。打撃投手を頼まれていたが、グラウンドに出ると捕手役が西武の松井稼頭央監督だったのだ。

 埼玉県朝霞市出身で、走攻守がそろう地元球団のスターが、幼少期からの理想だった。背番号も同じ「7」にした。憧れの存在と人生初のキャッチボール。「(経験)ないです。感激しました。いい経験になって良かった」。寡黙な男が少しだけ、興奮していた。

 コーチでベンチ入りしていた藤本監督も、ひと安心だろう。第1戦では、柳田が一発を含む2安打2打点で2年連続MVP、近藤が3安打で敢闘賞を受賞。栗原も1安打1打点。第2戦で中村晃に快音が響き、チームの球宴出場組は全員安打だ。9連敗のまま突入する後半戦へ、勢いのつく2試合になった。

 広島でお祭りムードも吹き飛ぶ“仁義なき粘り”見せた中村晃は「試合はできているんでね。1日休んでから、また頑張ります」と言った。95安打でリーグトップをひた走る男は、後半戦でも頼りになりそうだ。(井上 満夫)

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