鳥山明さんの元アシスタント・まつやまたかしさん悼む 没頭したプラモ制作が「鳥山メカ」の原点

2024年03月10日 05:00

芸能

鳥山明さんの元アシスタント・まつやまたかしさん悼む 没頭したプラモ制作が「鳥山メカ」の原点
鳥山さんのアシスタントを務めたまつやまたかしさん(本人フェイスブックから)
 「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」の漫画家・鳥山明さん(享年68)の訃報から一夜明けた9日、かつてのアシスタントで“模型の師”でもあったイラストレーターまつやまたかし氏(66)が「偉大な漫画家さんのお手伝いをさせていただき光栄でした」と悼んだ。
 「Dr.スランプ」の後期から「ドラゴンボール」終了までの約11年、アシスタントを担当。「一日中仕事場でプラモデルを作り続けたこともありましたね」と振り返る。鳥山さんは自動車やミリタリー系が好きだったというが「当時ブームのガンプラも作ってましたよ」と明かす。「戦車の表面の小さな取っ手パーツを銅線に替えてディテールアップしたり、細かい所までこだわっていた」という。

 実は「田宮模型人形改造コンテスト」で10年連続で入選するなど知る人ぞ知る有名モデラーのまつやま氏。実兄と“コンテスト荒らしの松山兄弟(ブラザーズ)”として各地で恐れられ、人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」にも登場している。模型誌でまつやま氏の凄腕を知った鳥山さんのオファーを受け、初代アシスタントの漫画家ひすわし氏こと田中久志さん(64)が辞めた後、2代目アシスタントとなった。

 漫画制作で忙しかったはずだが、模型も全力投球。松山兄弟と鳥山さんの3人で模型コンテストに出場し「金銀銅を独占したこともありました」という。

 鳥山ワールドといえば、緻密かつ適度なデフォルメの利いた“鳥山メカ”が魅力の一つ。バイクや車、戦車や戦闘機などあらゆるメカが登場するが、そのどれもが独創的でスタイリッシュ。イマジネーションの源が、まつやま氏とともに打ち込んだ模型制作にあったのは間違いない。

 今も浮かぶのは楽しそうに模型を作る鳥山さんの顔。人気作家として多忙な日々を過ごした胸中を「もっと模型作りしたかったんじゃないかな」とおもんぱかった。

 アシスタントを辞めた後も交流は続いた。今年2月に脳腫瘍の手術を受ける話も聞いていたが、症状は軽いと思っていた。「手術後の今月に会う約束だったのに。急なお別れとなってしまいました。安らかにお休みください」と“天界”でゆっくり模型作りを楽しんでいることを願った。

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