鳥山明さんの元アシスタント・まつやまたかしさん悼む 没頭したプラモ制作が「鳥山メカ」の原点
2024年03月10日 05:00
芸能
実は「田宮模型人形改造コンテスト」で10年連続で入選するなど知る人ぞ知る有名モデラーのまつやま氏。実兄と“コンテスト荒らしの松山兄弟(ブラザーズ)”として各地で恐れられ、人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」にも登場している。模型誌でまつやま氏の凄腕を知った鳥山さんのオファーを受け、初代アシスタントの漫画家ひすわし氏こと田中久志さん(64)が辞めた後、2代目アシスタントとなった。
漫画制作で忙しかったはずだが、模型も全力投球。松山兄弟と鳥山さんの3人で模型コンテストに出場し「金銀銅を独占したこともありました」という。
鳥山ワールドといえば、緻密かつ適度なデフォルメの利いた“鳥山メカ”が魅力の一つ。バイクや車、戦車や戦闘機などあらゆるメカが登場するが、そのどれもが独創的でスタイリッシュ。イマジネーションの源が、まつやま氏とともに打ち込んだ模型制作にあったのは間違いない。
今も浮かぶのは楽しそうに模型を作る鳥山さんの顔。人気作家として多忙な日々を過ごした胸中を「もっと模型作りしたかったんじゃないかな」とおもんぱかった。
アシスタントを辞めた後も交流は続いた。今年2月に脳腫瘍の手術を受ける話も聞いていたが、症状は軽いと思っていた。「手術後の今月に会う約束だったのに。急なお別れとなってしまいました。安らかにお休みください」と“天界”でゆっくり模型作りを楽しんでいることを願った。